健康 からだと向き合う~「できる」を増やして健康寿命を延ばしましょう!~

■笠間市立病院作業療法士 森田実久(もりたみく)
皆さんは「自助具」というものを知っていますか?
最近は、メディアに取り上げられていることもあり、テレビやSNS、病院などで目にしたこと、耳にしたことがある方もいるかもしれません。
自助具とは、「身体に何らかの障害がある方に対して、その失われた身体機能を補助し、日常生活における困難な動作を可能な限り自分自身で行えるよう、特別に工夫された道具」のことを言います。英語では“self-help device”と表記され、直訳すると“自らを助ける機器”となり、まさに“自助具”の言葉そのものと言えます。
病気や障害など、何らかの原因で身体が思うように動かず、今までのやり方だと一人で行うことは難しいけれど、できることなら自分のことは自分でやりたいと思う方は多いのではないでしょうか。
平均寿命が延びている現代では、健康でいられる期間「健康寿命」を延ばしていくことも大切です。そのために、自身でできることを増やしていくことが大切になってきます。
例えば、脳の病気で片手に麻痺が残り、一般的な爪切りが使えなくなってしまった方に対して、「ワンハンド爪切り」というものがあります。板に爪切りが固定されており、板を押すことで爪を挟み切ることができる仕組みです。また、腰の怪我などで前屈みになることができない方に対しては、靴下などを履く際に使う「ソックスエイド」というものがあります。靴下をソックスエイドの先に装着し、長く伸ばした紐を操作することで履ける仕組みです。もしくは、柄の長い靴ベラ2本を使用し、靴ベラの先に靴下を通した状態で、靴下を広げながら履くという方法もあります。
自助具は、福祉用具店やネット通販などで購入できます。また、医療機関や福祉用具店、作業療法士に相談していただくことで、身近なもので代用できる方法や、道具の提案ができる場合もあります。
皆さんの持つ身体の力を最大限に発揮し、いきいきとした生活を送るために、自助具を検討してみてはいかがでしょうか。

問合せ:市立病院
【電話】0296-77-0034