- 発行日 :
- 自治体名 : 茨城県笠間市
- 広報紙名 : 広報かさま 令和7年9月号
■「フレイル」を予防しましょう!
笠間市立病院医師 今川優(いまかわゆう)
年齢を重ねるにつれて、筋力や認知機能などが少しずつ衰えていきます。
今注目されているのが「フレイル」です。フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間にあたるもので、身体的・精神的・社会的な活力が低下した状態とされています。進行すると転倒や寝たきり、認知症などのリスクが高くなるため、早めに気がつき予防することが大切です。
たとえば「最近疲れやすい」「歩く速度が遅くなった」「外出が面倒になってきた」「体重が減ってきた」などの変化は、フレイルの初期のサインかもしれません。このような変化に気がついたら、まずは日常生活を見直してみましょう。
フレイル予防の3本柱は「栄養」「運動」「社会参加」です。
栄養では、特にたんぱく質を意識したバランスの良い食事を心がけましょう。
運動は、毎日の散歩やラジオ体操、簡単な筋トレなど、無理なく続けられることが大切です。
そして社会参加としては、地域の集まりや趣味の活動に積極的に関わることが、心の健康や認知機能の維持につながります。市で行われている体操教室などへの参加がおすすめです。
近年では、フレイルの一環として「アイフレイル」や「オーラルフレイル」も注目されています。
アイフレイルは眼の衰えで、見えにくさから転倒や活動量の低下を引き起こすことがあります。年1回程度の眼科受診や、まぶしさ・視力の変化に注意を払いましょう。
オーラルフレイルは、噛む力や飲み込む力、発声の機能などが低下していく状態です。口の健康は全身の健康に直結しており、むせやすくなったり、滑舌が悪くなったりしたときは注意が必要です。よく噛んで食べる、口の体操を取り入れるなどの習慣が予防につながります。
フレイルは「気づき」が第一歩です。体や心、生活のちょっとした変化を見逃さず、元気な毎日を続けるために、今からできることを始めていきましょう!
笠間市立病院ではフレイル予防の相談やサポートも行っていますので、お気軽にご相談ください。
問合せ:市立病院
【電話】0296-77-0034