- 発行日 :
- 自治体名 : 茨城県笠間市
- 広報紙名 : 広報かさま 令和7年9月号
■地域おこし協力隊とは?
地域おこし協力隊とは、総務省が平成21年度から取り組んでいる制度で、都市部の意欲ある人材が地方へ移住(最長3年)し、地域力の維持・強化を目的とした支援活動を行うものです。
■知られざる栗ペーストの裏側に密着
▽プロフィール 三宅輝明(みやけてるあき)隊員(29歳)
令和6年5月より笠間市の地域おこし協力隊として着任。笠間市の特産品である栗を活用し、笠間栗ファクトリー株式会社と連携して、栗製品の品質向上、商品開発、販売促進などの支援を行っています。活動を通じて、地域の活性化につながるような「笠間の栗のブランド化」に貢献することを目指しています。
栗の郷、笠間市。栗好きのためのまちと言っても過言ではないほど、市内には栗スイーツを楽しめるお店がたくさんありますよね。その多くに使われているのが、なめらかで風味豊かな「栗ペースト」。今回は、栗に魅せられ、栗に導かれし私が、栗ペーストの秘密を探るべく、栗の加工工場〝笠間栗ファクトリー〟をレポートします。
「栗ペーストって、栗の鬼皮を剥いた後に、蒸して、裏ごしして、製品にするんだろうな」と勝手なイメージを抱いていました。しかし、実際は、「えっ、そんな方法で?」と驚くような工程で製造されていました。
1.1日に5万粒(約1トン)も加工!?
工場では毎日なんと5万粒(約1トン)もの栗を加工しています。
まず、大きな洗浄機に栗を投入し、ゴロゴロと転がしながら、表面の汚れやノゲ(とげのような部分)を落としていきます。次に、蒸し工程へ。栗の状態を見ながら、蒸し時間を調整するのが職人技。この丁寧さがホクホク感と甘みを引き出しています。
2.驚きの〝鬼皮付きカット and 実取り〟
ここがもっとも驚きだった工程。蒸しあがった栗は、なんと鬼皮がついたまま加工されるんです。そして、専用の機械を使って栗の実だけを取り出していきます。その一連の工程の中で、人の目で1粒ずつ虫食いや傷みがチェックされ、品質を落とすような栗は取り除かれていきます。質の良い栗だけをペーストにするからこそ、雑味のない風味豊かな味わいが生まれています。
3.なめらかさの秘密は、〝裏ごし and 攪拌の加減〟
選び抜かれた栗の実は、1mmや2mm穴の細かい網で裏ごしされ、なめらかな口当たりに。そして、なめらかさとホクホク感のバランスを見極めながら、絶妙な食感に仕上がるように攪拌(かくはん)していきます。最後に真空包装でできたてのおいしさをぎゅっと閉じ込め、加熱殺菌から冷却を経て製品が完成します。
こんなに手間をかけていながら、栗を蒸してから真空までわずか2時間足らず。栗ペーストの風味の劣化を防ぐ、熟練スタッフの手際の良さと正確さに感激してしまいます。栗ペーストができるまでに、これほどの愛情が注がれているとは…。
これから笠間の栗を使ったスイーツを口にするときは、自然の恵みと、関わる人たちのこだわりをちょっと思い出してみてください。地元笠間に暮らす皆さんにこそ、笠間の栗をもっと誇らしく思ってほしい。そんな気持ちをこめたレポートでした。
■連載―笠間の小道/笠間の暮らし、農ある暮らしが支える我が家の食卓
笠間に移住して1年。今は2人で暮らしていますが、市民農園「生き活き菜園はなさか」のおかげで、我が家の食卓がとても豊かになっています。
ナス、キュウリ、ピーマン、枝豆、オクラなどを自分たちで育て、収穫のたびに新鮮な野菜から季節の移ろいを感じています。また、自分たちで育てた野菜に加え、地域の方々からのおすそ分けもあり、自然と家計にゆとりが生まれています。
地域と繋がりながら旬を味わう農ある暮らしは、楽しみが尽きることなく、心にもお財布にもやさしい、そんな快適な笠間ライフを実感しながら過ごしています。
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問合せ:企業誘致・移住推進課
【電話】内線592