くらし [特集]5年に一度、全員参加の統計調査 国勢調査2025(1)
- 1/12
- 次の記事
- 発行日 :
- 自治体名 : 茨城県常陸大宮市
- 広報紙名 : 広報常陸大宮 2025年7月号
令和7年は5年に1度の国勢調査が行われる年です。大正9年に始まった国勢調査は、今回で22回目を迎えます。今月号では、国勢調査とはどんな調査か、常陸大宮市のまちづくりにどのように生かされているのかなどをご紹介します。
◆国勢調査って?
国勢調査は5年に1回の最も重要な統計調査で、10月1日現在、日本国内に普段住んでいる全ての人(外国人を含む)と世帯が対象になります。
◆調査日はなぜ10月1日現在?
調査日が10月1日となったのは、第1回調査が行われた大正時代の人々の状況が大きく影響しています。第1回報告書には「比較的人口の分布が常態であり、全人口の大半を占める農業従事者にとっては必ずしも農繁期でなく、かつ1年の4分の3を経過した10月1日をもって、最も適当な調査の期日と決めた」と記載があり、このときに決めた調査日が現在まで続いています。
◆住民票からはわからない「生活実態」を調査
国勢調査では、ある時点で、その地域に実際に住んでいる人がどれだけいて、どのような世帯や職業の人々がいるのかを調査します。このような情報を「住民票の異動から分からないことなの?」と思う人もいるかもしれません。しかし、寮生活をする学生や単身赴任中の会社員など、生活をしている場所と住民票の住所が違う人もいます。実際の生活状況に合わせた適切な行政サービスを行うためには、住民票の異動情報よりも国勢調査によってわかるデータのほうが適しています。「最も重要な統計調査」と位置づけて、日本に住む全ての人々を調査対象としているのはこのためです。
◆前回で開始100年を迎えた国勢調査。100年で日本の人口はどれだけ変わった?
前回の調査が行われた令和2年は、第1回調査からちょうど100年に当たり、その間、日本の人口は約2.3倍に増えました。また、開始以来、平成22年の調査まで増加してきた人口は、平成27年の調査で減少に転じ、令和2年の調査でも引き続き減少しています。
◆国勢調査結果から予測すると今後の常陸大宮市はどうなる?
国勢調査の結果などから、このままの流れで進んだ場合の常陸大宮市の人口は、2060年に15,375人になると推計されています。この推計に対して、市では、出生率を上げる、人口流入を促す、人口流出を抑えるようなさまざまな取組を行っています。これにより、2040年では2,300人程度、2060年では3,100人程度、人口減少抑制効果を見込んだ「目標人口」を設定しています。
◆目標人口を達成するための市の取組「ずっとここにいたい」と思えるまちづくり
◇常陸大宮市総合計画「人口流出を防ぐダム(政策)の構築と実践」
国勢調査に加え、各種調査・アンケートから、市の人口減少は、出生率が国や県の水準を下回っていることや、女性を中心とした転出超過、定住意向を持たない市民の増加などが原因と考えられます。
この原因を解決するために、市のすべての施策の軸となる「総合計画」では「人口流出を防ぐダム(政策)の構築と実践」を政策プロジェクトとして掲げ、「住みたい」「育てたい」「来たい」と思えるようなまちづくりを行っています。
・住みたい
常陸大宮駅周辺整備事業、移住・定住促進事業、不妊治療・不育症検査助成事業 など
・育てたい
「確かな学力」育成プロジェクト事業、中学生英語体験事業 など
・来たい
観光振興事業、パークアルカディアブラッシュアップ推進事業、御前山ダム周辺活性化事業 など
◇過疎指定を受けた地域の活性化
国勢調査などの結果から、常陸大宮市の一部は過疎地域として国から指定を受けており、補助金などを活用しながら、過疎地域の活性化を行っています。「活性化」という言葉からイメージしやすい観光や産業だけではなく、乗合タクシーの利用日時や予約方法の拡大といった交通手段の整備、美和診療所をはじめとした医療体制の確保なども「過疎地域の活性化」を目的として行っていることの一部です。