しごと [特集]地元の企業を知ってみよう(1)

農業が基幹産業の小美玉市ですが、市内を巡ると茨城空港テクノパークや玉里工業団地など、さまざまな企業や事業所があります。
その中には誰もが聞いたことのある企業も。今回の特集では、皆さんの暮らしとも、さまざまな場面で結びつく地元で活動する企業を紹介します。

■データで見る小美玉の産業
◇市内の法人格を持つ事業所
小美玉市には、法人格を持つ事業所が1245社あります。そのうち、約7割の898の事業所が市内に本社(本店)を置いています。産業別区分にすると第三次産業が約6割を占めています。

◇市内総生産額のトップは製造業
産業別に令和3年度の市内総生産額(※1)を見ると、第1位は第二次産業の製造業。次に、第三次産業の不動産業が続き、第一次産業の農業は5番目に位置しています。
第1位 製造業…924.6億円
第2位 不動産業…224.6億円
第3位 公務…176.6億円
第4位 卸売・小売業…174.4億円
第5位 農業…145.4億円

※出典:令和3年度茨城県市町村経済計算
※1 市内総生産:市町村内の生産活動によって新たに生み出された価値(付加価値)の総額。

○小美玉市企業連絡協議会
市内に立地する企業の交流促進と情報共有、連携強化に取り組み、市内企業の活性化と市との協働によるまちづくりに寄与することを目的とした組織。町村合併以前に組織されていた「美野里地区企業連絡会」と「玉里工業団地連絡協議会」が母体となり平成22年に設立。今年1月28日に小川地区企業連絡会が設立し、市全域の立地企業を対象とした組織になりました。

昨年開催された、第1回「おみたま大空マルシェ」の様子。市企業連絡協議会会員企業からは8社が参加。市の事業やイベントだけでなく、市が行う会議にも参加するなど協働によるまちづくりに向けた活動をしています。

■地元の企業を知ってみよう
市内の法人格を持つ企業の中で、従業員が多い三つの企業にスポットを当てて紹介します。

◆1 日本の食卓を支える タカノフーズ株式会社
1932年に髙野徳三氏が小美玉市小川地区で納豆の製造・販売を行う高野商店を創業し、1985年に現在の社名に。おかめの顔でおなじみの「おかめ納豆」は納豆の国内シェア第1位を誇り、「おかめ豆腐」も国内第3位、関東では第1位のシェアを誇ります。本社のある小川地区には工場の他に納豆博物館と納豆研究開発所があり、2021年にはグループ会社として「タカノバイオ株式会社」を設立。長年積み重ねた納豆菌の発酵技術を応用して、畜産業界の生産性をあげる新しい取り組みを進めています。

○納豆菌のさらなる可能性を求めて
本社の敷地内にある水戸工場では1日で約270万食の納豆を製造し配送しています。工場は昼と夜の2交代制で、ほぼ毎日稼働しています。おみたま花火大会への協賛を始め、同じ地元企業の小美玉ふるさと食品公社とコラボするなど、地域との取り組みも行っています。納豆研究開発所では、約2,200株の納豆菌を保有し、定番のおかめ納豆に健康価値を加えた新商品を開発するなど、納豆のさらなる可能性に挑戦しています。

管理部門総務マネージャー
小久保洋之(こくぼひろゆき)さん
おかめ納豆というブランドを守りつつも、納豆菌を活用し、広めていく新しい取り組みをしています。