- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県宇都宮市
- 広報紙名 : 広報うつのみや 2025年2月号 No.1787
ID:1004495
難病を患う多くの人は、外見だけでは病状が分からず、誰かの助けを必要とする時があります。
難病について理解し、患者やその家族を社会みんなで支えていくことが大切です。
■難病について正しく理解しよう
難病とは発病の原因が明らかでなく、治療方法が確立していない希少な疾病のことで、長期にわたり療養が必要となります。
また、指定難病とは、厚生労働大臣が指定したもので、難病のうち患者数が国内において一定数に達しないこと(人口の0.1%程度以下)と客観的な診断基準が確立している疾病です。
◇医療費助成制度の対象となる指定難病
341疾病(令和6年4月現在)
◇市内で認定(※)されている人 4,387人
代表的な疾病
・潰瘍性大腸炎…727人
・パーキンソン病…532人
・全身性エリテマトーデス…265人
※難病医療助成制度の認定を受けている人。
多くの難病患者は、外見上は何の障がいもないように見えますが、疾病を抱えながらさまざまな悩みや不安を抱えて生活しています。常にさまざまな配慮が必要なわけではありませんが、勇気を出して話したときに理解してもらえないことが一番辛いと感じています。
■支え合おう 私たちにできること
ヘルプマーク・ヘルプカード
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いざという時に、手助けしてもらいたいことや自分の情報を周りの人に伝えるためのマークやカードです。ヘルプマークやヘルプカードを持って困っている人がいたら、「どうかしましたか」という声掛けをしてみましょう。
■みんなで考えよう
2月28日はRare Disease Day(レアディジーズデイ)(世界希少・難治性疾患の日)
Rare Disease Day(世界希少・難治性疾患の日、以下RDD)は、より良い診断や治療による希少・難治性疾患患者の生活の質の向上を目指して、スウェーデンで2008年から始まった活動です。
RDD JAPAN(ジャパン)2025のテーマは、「ひのでまえ ひびきあい のびのび であおう まぁるい えがお」です。
■難病患者から学ぶ 病気との向き合い方
◇MTさん(66歳) 平成28年発症
難病ピア・サポーターになります
皮膚筋炎・多発性筋炎の治療を始めると、主治医から「副作用で両足の大腿骨頭が壊死している」と2つ目の難病である特発性大腿骨頭壊死症の告知を受けました。
入院中は、仕事復帰の可否など多くの不安がありましたが、家族が毎日献身的に看病してくれたことや、同僚からのお見舞いを受けてうれしかったことを覚えています。
辛い日々も多くの支えを受けて過ごした経験を生かすため、難病ピア・サポーター研修を受講しました。今後は、同じ体験をした仲間として「傾聴」に務め、相談者の今後の生活がより明るく有意義なものになるよう支援していきます。
◇皮膚筋炎・多発性筋炎とは
筋肉の炎症により、筋肉に力が入りにくく、皮膚や関節など、さまざまな場所に疲れやすさや痛みを感じる病気です。
◇特発性大腿骨頭壊死症とは
股関節にある大腿骨頭の血流が悪くなることによって、骨頭が壊死する病気です。
◇SSさん(48歳) 令和元年発症
ALS6年目「心がけていること」
42歳の時、保育園の運動会で転倒し違和感を覚え、精密検査を繰り返した末、令和元年9月にALSと診断されました。原因不明の苦しみから解放された一方、難病と向き合う覚悟が必要になりました。
同世代の患者仲間から生きる希望をもらい、次の事を心掛けています。人生を楽しみに変え、最後まで挑み続けます。
・過去や他人と比べない。
・ALSに心を支配されない。
・変えられないことを受け入れ、変えられることに努力する。
・今を全力で生きる。
・感謝を忘れず人の役に立つ活動をする。
◇ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは
手足・喉・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉が徐々に痩せて力がなくなっていく病気です。
筋肉そのものの病気ではなく、運動をつかさどる神経だけが障害を受け、脳から「手足を動かせ」という命令が伝わらなくなることで、力が弱くなり筋肉が痩せていきます。
難病があっても、日常生活や就労・就学に不安や困難を感じることなく、普通に暮らすことのできるインクルーシブな社会が到来しつつあります。多様性を認め合い、お互いに支え合っていける地域づくりを、それぞれの立場で進めていきましょう。
市難病対策地域協議会会長 医師 村井 邦彦(むらい くにひこ) さん
■難病患者の皆さんを支えるサポート
◇活用しよう
指定難病「登録者証」制度が始まりました
指定難病にり患していることを証明する「登録者証」の発行を令和6年6月20日から開始しました。
「登録者証」は、障がい福祉サービスの利用申請時やハローワークなどの利用時に、指定難病の患者であることの証明に利用できます。
なお、登録者証では医療費の助成は受けられません。医療費の助成を希望する人は、特定医療費(指定難病)支給認定申請の手続きが必要です。
対象者:指定難病と診断された人(医療費助成の対象とならない軽症の人も対象です)。
◇相談しよう
難病に関する相談窓口
1 保健予防課(竹林町・保健所内)【電話】626-1116
保健師が面接や電話、訪問などで、療養上の相談に応じています。難病の人もご家族も、独りで悩まずご相談ください。
2 とちぎ難病相談支援センター
日常生活上の悩みや不安などの相談を受け付け、安定した療養の支援を行っています。また、就労相談や難病関連図書の設置、福祉機器の展示なども行っています。詳しくは、とちぎ難病相談支援センター【電話】623-6113へ。
◇難病患者のためのサービスガイド
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市難病対策地域協議会では、難病患者が利用できるサービスについて広く周知するため、サービスガイドを作成しています。詳しくは、市HPをご覧ください。
問合せ:保健予防課
【電話】626-1116