くらし まちかど*リポート

『まちの処方箋となるカフェを目指して』

長谷川貴之さん

長谷川さんは今年8月、金井2丁目の阿久津医院跡に「喫茶院アルッテ」をオープンしました。
店名「アルッテ」には、栃木県の方言で「歩いていく」という意味と、ドイツ語で医者を表す「Arzt(アルツト)」の二つの意味が込められています。「日常の疲れを感じたときに、ふらっと立ち寄って心を癒せる―そんな『まちの処方箋』のような場所にしたい」と意気込みます。
商店を営む祖父母の姿を見て育ち、「いつか自分のお店を持ちたい」という思いを抱いていた長谷川さんは、約6年前、それまで勤めていた営業職から転身し、お客さんの喜ぶ顔を間近で感じられる飲食業の道へ。バリスタ修行を経て市内へUターンし、念願の開業に至りました。「学び舎が廃校になったり、商店街が閑散としたりする生まれ育った地元に戻り、『なんにもないまち』に見える場所に灯りをともしたいと思ったんです」と目を細めます。
今後について、「自分のお店をきっかけに那須烏山市を知ってもらい、このまちを訪れたいと思ってもらえるようなきっかけをつくりたい。そして、このまちが誰かの目的地になる一助になれれば」と話す長谷川さんの思いが詰まったお店が、訪れる人に癒しを与え、市内に新たな息吹を吹き込みます。