- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県下野市
- 広報紙名 : 広報しもつけ 令和7年8月号
Jichi Medical University Hospital
■地域医療の最後の砦をさらに強化
◆集中治療部門を統合・増床し、より高度で安心な医療を提供します
自治医科大学附属病院は、このたび、これまで別々に運用していたICU(集中治療室)とCCU(冠動脈疾患集中治療室)を一つのフロアに統合し、病床数を20床から26床へ増床する大規模な再編を行いました。これにより、心臓や血管などの大きな手術後の患者さんや、重い循環器の病気を抱える患者さんへ、より迅速で質の高いチーム医療を提供できる体制が整いました。これは、市民の皆さまの「万が一」の時に、これまで以上に多くの命を救い、安心をお届けするための取り組みです。
◇ICU/CCUとは?
ICUやCCUは、生命の危機にある重症の患者さんを24時間体制で見守り、最新の医療機器を駆使して集中的な治療を行う専門病棟です。一般の病棟よりも手厚い数の医師や看護師が配置され、一刻を争う事態に即座に対応できる「病院の中の病院」ともいえる場所です。
◇新ユニットの特長…チームの力で命を守る
今回の再編での最も大きな変化は、心臓血管外科、循環器内科、集中治療科といった各分野の専門家たちが、常に同じ場所で連携できるようになったことです。
・より迅速で的確な判断
専門医たちが患者さんのすぐそばで直接対話し、共同で治療方針を決めるため、より速く、より的確な医療を提供できます。
・より多くの重症患者さんの受け入れ
病床が増えたことで、地域の救急医療の要請にこれまで以上に応えることが可能となり、地域全体の医療体制の強化に貢献します。
・患者さんとご家族への大きな安心感
複数の専門チームが一体となって一人の患者さんを支える「チーム医療」がさらに強化され、患者さんやご家族に大きな安心感をもたらします。
当院は、これからも地域医療の中核病院として、市民の皆さまがこの街で健やかに、そして安心して暮らし続けられるよう、最善の医療を提供することに全力を尽くしてまいります。
◇旧体制→新体制のイメージ
〔旧体制〕
ICU(16床)―連携―CCU(10床)
〔新体制〕
新統合ICU/CCU(26床)
外科医 内科医 集中治療医 看護師
チーム医療の強化
◆自治医科大学附属病院 移植・再生医療センターを紹介します!
自治医科大学附属病院では現在、5つの移植診療を行っています。肝移植、腎移植、膵移植、造血幹細胞移植(骨髄移植を含む)、角膜移植です。
これらを担当する診療科が連携し、移植医療の包括的な充実と発展を図ることを目的に、移植・再生医療センターが設置されています。センターには移植者(レシピエント)、臓器提供者(ドナー)の診療がスムースに進むように調整し、また移植に関わるさまざまな問題に対応する移植コーディネータ(本紙写真)が配属されています。
◇センターの目標
定期的に運営委員会を開催し、下記目標を達成するための計画を立案・実行しています。
・移植に共通する医学的、社会的問題点や研究テーマを共有し、診療、研究の総合的なレベル向上に努める
・移植医療の普及、促進のための啓発活動を行う
・院内における臓器提供体制のバックアップを行う
◇市民公開シンポジウム「第14回 栃木県の移植医療を考える」を開催
移植医療の啓発活動の一環として、年に1回、センター主催の市民公開シンポジウムを開催しています。移植医療の現況紹介のほか、特別講師として外部より救命救急医や脳神経外科医、薬剤師、日本臓器移植ネットワークコーディネーター、さらには、ドナー経験者でもある河野太郎氏をお招きし開催したこともあります。
今年は、第52回日本小児栄養消化器肝臓学会学術集会と共催し、「第14回 栃木県の移植医療を考える」の開催を予定しています。
日時:9月28日(日)午後1時30分~4時
場所:ライトキューブ宇都宮 2階大会議室202(宇都宮市)
入場料:無料
◇移植・再生医療センター センター長あいさつ
当院は、令和4年に成人の脳死肝移植施設、膵移植施設として認定され、現在、肝臓、腎臓、膵臓、小腸、腹部臓器すべてを包括的に移植できる施設となりました。国内では同様の施設は僅かで、病院としても積極的に臓器移植を推進しているところです。
全国的に見ると、令和5年には131例の脳死下臓器提供があり、令和6年はそれを超えるペースで臓器提供が行われています。当院でも令和6年には合計10例の脳死下での移植を行いました(=肝移植7件、腎移植1件、肝腎同時移植1例、膵腎同時移植1例)。しかし、県内での臓器提供はなく、栃木県臓器移植推進協会と協力してさらなる啓発活動に取り組んでいます。
臓器提供を推進するためには、市民の皆さまのご理解だけではなく、各病院への働きかけも重要です。数年前から厚生労働省、臓器移植ネットワークを中心に臓器提供施設連携体制構築事業が始まり、国も本格的に、脳死下での臓器提供推進に乗り出しました。我々自治医大も、自治医大さいたま、済生会宇都宮病院、足利赤十字病院さんと連携を組み、本事業に加わりました。
ご家族にとって、臓器提供は計り知れないほどの難しい決断であります。しかし、その後多くの命を救うということも事実であります。本事業を通して、我々移植・再生医療センターが臓器提供の現場との懸け橋になれればと考えております。
自治医科大学 移植・再生医療センター
センター長 佐久間 康成