- 発行日 :
- 自治体名 : 群馬県千代田町
- 広報紙名 : 広報ちよだ 2025年10月号
■バス運転士見習い
◇お客様に気持ちよく乗車してもらいたい
湯澤輝成(こうせい)さん(赤岩3区・18歳)
湯澤輝成さんが幼稚園に通っていた頃、休日にはおばさんと一緒にバスで太田イオンモールやアゼリアモールへ出かけるのが楽しみでした。そんなお出かけの時間は、バスの窓から見える美しい景色が彼にとって特別なものだったそうです。田園風景や街並みの全てがキラキラと輝いて見え、そのひとときは幼い湯澤さんにとって忘れられない思い出として心に刻まれました。
少し成長して12歳の頃、湯澤さんの母親は慢性的な症状から手足のしびれに悩まされており、ある日、母親とバスを利用することになりました。バスに乗り込む際、母親の状態を見た運転士がすぐに察知し、車高を下げて乗り降りがしやすいように対応してくれたり、手を差し伸べるなど丁寧にサポートしてくれる姿がありました。その慎重で優しい対応に、湯澤さんは胸を打たれ、目の前で繰り広げられる運転士の思いやりあふれる行動に感動を覚えました。
この出来事を通じて、湯澤さんはバス運転士という仕事の素晴らしさや社会においての大切な役割を初めて実感。「自分もこんなふうに人の役に立つ仕事がしたい」と自然に思うようになり、バス運転士になることを志したのです。バス運転士の職業が、日々の生活を支えながら、小さな思いやりを積み重ねて人々に大きな安心を届けていることを、湯澤さんが深く感じた瞬間でした。
高校を卒業した湯澤さんは、今年から埼玉県のバス会社に就職し、現在はバスの路線の問い合わせや、車内に忘れ物をされた方への電話対応、また、書類の作成やコミュニティバスの売り上げなどの入力チェックなどを行っています。そして来年の2月には、大型二種免許の取得に挑戦する予定。大型二種免許取得には道路交通法や道路運送車両法などについてしっかり理解しておく必要があるため、湯澤さんは現在猛勉強中です。
湯澤さんは、バス運転士を目指すきっかけとなった出来事の後、感謝の手紙を運転士の方に送りました。その運転士とは現在でも交流が続いており、湯澤さんが自身と同じ仕事を志望したことを聞いた運転士の方は大変喜んだそうです。
湯澤さんは最後に、「心がけていることはホスピタリティです。お客様がいなければ成り立たない仕事なので、思いやりと責任感を持った仕事をしたいと思っています」と笑顔で語りました。
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