文化 おしえて「文化財」

■正法寺六面幢(しょうぼうじろくめんどう)
岩殿観音正法寺の東にある山の中に正法寺六面幢はあります。六面幢とは武士の時代の供養塔の一種で、板状の石を6枚立てて並べ、その上から笠石(かさいし)と呼ばれる石をかぶせたものです。正法寺六面幢は6面のうち1面が失われていますが、それ以外は概ね現存しています。石に刻まれた文から、天正10(1582)年に、岩殿山荒神山(こうじんやま)(現在六面幢がある山)にいた道照(どうしょう)が、正法寺の再興に尽力した僧・栄俊(えいしゅん)とその弟子である俊誉(しゅんよう)・妙西(みょうさい)・道慶(どうけい)を弔うために建立したことが分かります。正法寺周辺では六面幢の部材がいくつか見つかっていて、過去にはほかにもあったと考えられますが、現在も形をとどめているのはこの正法寺六面幢だけで、昭和5(1930)年3月31日に埼玉県指定史跡に指定されています。

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