くらし 埼玉県こども動物自然公園 かどちゃんの植物ZOO鑑

■花だより
門倉緑地係長

穀雨(こくう)…たくさんの穀物を潤す雨が降るころ。恵みの雨。
盛りを迎えたサクラが散り始めるころ、ヤマブキが咲き始めます。枝先に重なる様が華やかであるため、平安時代から人気の花です。そんなヤマブキと言えば、「七重八重花は咲けども山吹の みのひとつだに なきぞかなしき」という和歌がありますが、元歌※は、「なきぞあやしき」で、江戸時代には「なきぞかなしき」で広まっていたといいます。動物園に来るまでヤマブキはすべて八重で実がつかないものだと思っていたところ、八重は品種で、原種は五弁の一重であり、実もつけると知りました。先に一重のヤマブキが花をつけ、その後八重が咲きます。なかよしコーナーの北側から牛舎にかけて、一重と八重が見られますので、探してみてくださいね。
こどもの城入口花壇のモッコウバラも、クリーム色で春らしい優美な花です。バラにしては、強健でトゲも無いため、とても扱いやすいです。名前のモッコウ(木香)は、花から香る良い香りが由来といわれています。

ヤマブキ:バラ科ヤマブキ属の落葉性低木。日本原産で、枝がしなやかに風に揺れる様子、山振り(やまぶり)から名前がついたともいわれている。
モッコウバラ:中国原産の常緑つる性低木。江戸時代には栽培されていた。
※後拾遺和歌集 兼明親王(かねあきらしんのう)から。

※5月号は動物ZOO鑑です。

埼玉県こども動物自然公園
〒355-0065 岩殿554 
【電話】35-1234【FAX】35-0248
開園時間等はホームページをご確認ください。