- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県羽生市
- 広報紙名 : 広報はにゅう 令和7年4月号
■難聴啓発キャンペーンのCMから
2024年7月からACジャパンの支援を受けた難聴啓発キャンペーンのCMが開始され、タレントの近藤真彦さんがCMに出演しているのをテレビでよく見るようになりました。
今回、日本耳鼻咽喉科学会は加齢性難聴の進行を抑制するための活動に力をいれているようです。それは、難聴がさまざまな要因の引き金になることが最近わかってきたからです。加齢性難聴の進行によって、コミュニケーション低下が起こります。このことが場合により労働機会の喪失、社会的孤立などを起こす原因となりえます。特に社会的孤立は2.78倍陥る確率があるともいわれています。病気では、うつ・不安の発生率が1.48倍、認知症発生率1.9倍(認知症リスクの中で最大です)、転倒リスク増大などがあります。これらに対して、早期に耳鼻咽喉科を受診し、聴力検査などを受け、場合により補聴器を使用することでリスクが軽減します。うつ・不安の発生率が0.86倍、転倒の発生率が0.87倍になるというデータもあります。
難聴は、たとえ軽度でもQOLの低下の原因となりえます。また、特に中等度~高度の難聴の方は認知症などの病気になりやすくなります。そこで、耳鼻咽喉科の診察を受け、場合により補聴器を使うことにより認知症などの予防につながります。少しでも難聴を自覚したり、周りに指摘された時は早期に耳鼻咽喉科を受診し、診察を受けることをお勧めします。
医師 吉田 正弘