- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県志木市
- 広報紙名 : 広報しき 令和7年11月号
■子どもたちの笑顔があふれるまちを目指して
秋めいた風が心地よく感じられる季節となりました。今月22日には市民花火大会が10年ぶりに開催されます。清冽な空に咲く約5,000発の花火とともに、熱気球体験やパルクールなど、大人から子どもまで楽しめるプログラムも予定されていますので、ご家族、ご友人など、多くの皆様とともにお楽しみいただければと思います。
さて、11月といえば七五三。七五三の起源は古く、平安時代の宮中儀式に由来するものとされています。当時は医療技術が未発達で「7つまでは神のうち」ともいわれるほど、乳幼児の死亡率が高い時代でした。七五三には、そうした厳しい時代の中でも、子どもたちには元気で逞(たくま)しく育ってほしいという、先人たちの切実な思いが込められていたのです。
時代は変わり、現代では医療技術が発達するとともに、母子保健制度の充実や妊婦への保健指導の啓発などにより、日本の乳幼児の死亡率は世界で最も低い水準になりました。一方で、一人の女性が生涯に産む子どもの数の指標である、合計特殊出生率は全国的に低下し、少子化がますます進行していることが深刻な課題となっています。20年前の平成17年には全国で1.25だった合計特殊出生率は、令和6年には1.15に低下。本市の令和6年の数値も1.04と低く、人口を維持するための合計特殊出生率が2.07以上といわれていることを踏まえると、早急に対策が必要な状況にあるといえます。
こうした状況を打開すべく、全国の自治体では、安心して子育てができる環境づくりに向け、さまざまな支援策が展開されています。もちろん志木市でも、子どもを産み育てるまちとして選んでもらえるよう、他市に負けない先進的な取組を進めています。
特に、在宅子育て家庭への支援策として、すべての子どもの育ちを応援する「こども誰でも通園制度」を6月から実施しています。これは、保護者の就労の有無に関わらず、生後6か月から3歳未満の保育園に通園していない子どもを、月10時間まで保育園に預けることができる制度です。これにより、経験豊かな保育士がいる環境のもと、家庭とは違う体験や同世代の子どもと関わる機会が得られるとともに、公立保育園で実施しているリフレッシュ一時保育(月16時間)と併せ、月26時間の預かり保育が可能となるなど、子どもの健やかな成長と保護者のリフレッシュの両立につなげることができました。
また、県内初の取組として、子育てと仕事の両立を支援するため、保護者が朝早く出勤する場合でも小学校に通う児童を家に残すことなく出勤ができるよう「朝のこどもの居場所づくりモデル事業」を6月から実施しています。まずは志木小学校をモデル校に登校前の子どもの居場所をつくることで、親と子が安心して生活できる環境を整えています。
「まちづくりの原動力は、そこに生きる人の力あってこそ」。次世代を担う志木っ子たちがすくすくと成長して世界へはばたく未来を願い、安心して子どもを産み育てられる環境づくりに向け、これからも他市に先んじた施策を積極的に展開していきます。
