くらし 数字で見る和光市の介護保険

市ではこれまで「介護予防と重症化予防」そして「自立支援」の考え方を大切にしていることから、全国と比べても低い要介護認定率・介護保険料を実現することができています。
しかし、後期高齢者(75歳以上)の人口比率の増加などに伴い、要介護認定率の上昇や介護給付費の増加が見られています。

◆和光市の要介護認定率は埼玉県や全国と比べて低い
市では、要介護認定がなくても受けられる「介護予防」のための事業を数多く実施しています。身近な場所で介護予防に取り組んでいただけていることが、要介護認定率の低さに繋がっているものと思われます。

◆和光市の要介護認定率は近年上昇傾向にある
市の要介護認定率は低めであるとはいえ、近年上昇傾向にあり、その上昇の幅は埼玉県や全国よりも大きい状況です。後期高齢者の増加が大きな要因ですが、コロナ禍の外出控えをきっかけに閉じこもりとなり、動かなくなり、食べなくなり…と負の連鎖の結果、要介護状態となることもあります。身近な場所での介護予防を推進している市にとって、外出控えの影響は甚大です。

◆和光市の2025年問題
市では、2022年から前期高齢者(65歳以上75歳未満)よりも後期高齢者(75歳以上)の数が多くなりました。年齢を重ねるほど、病気やケガを経験しやすく、回復するのも大変です。介護を必要とする人が増えると、医療や介護の費用が増え、サービス低下や人材不足に繋がることも考えられます。一人一人が介護予防に取り組み、サービスも適切に使いながら健康に過ごせるような和光市を作っていくことが重要です。

◆和光市の介護給付費は毎年約2億円増加している
市では、介護給付費(自宅や施設で介護サービスを受ける際にかかる費用)は毎年約2億円ずつ増加しています。この背景には、介護認定率の上昇だけでなく、一人あたりの給付費の増加など、複数の要因が複雑に絡み合っていることが考えられます。今後の介護給付費の伸びを予測して介護保険料は算出され、介護給付費の増加は介護保険料へと反映されます。必要な人に必要なサービスを安定して提供できる体制や制度の見直しを考える必要があります。

◆地域包括ケアシステムの実現に向けて
地域包括ケアシステムとは、介護が必要な状態になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるように、おおむね30分以内(中学校圏域くらい)に医療・介護・生活支援が一体的に提供される仕組みのことです。そのため、市では特に「地域密着型サービス」(市民が市で使えるサービス)に力を入れています。和光市で暮らしてきた人が要介護状態になっても、和光市で安心して暮らし続けられるような支援体制の構築を目指します。

◆介護保険特別会計における不適正な事務処理による支払月の期ずれについてのお詫び
この度の介護保険特別会計における不適正な事務処理による支払月の期ずれに関し、市の説明が不十分であったため、市民の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
支払月の期ずれとは、国庫負担金の介護給付費負担金(歳入)の対象月(5月支払分~翌年4月支払分)と、市が現年度予算で支出する保険給付費(歳出)の対象月(4月支払分~翌年3月支払分)にずれが生じていることを指します。
この原因は、平成16年度において、本来は平成16年度予算で支出すべき翌年4月支払分を翌年度予算で支出したことにあります(平成16年度は11回分の支払い)。それ以降、歳入と歳出の対象月のずれが生じていますが、保険給付費(歳出)は毎月支払いが行われており、支払い漏れが発生しているものではありません。
また、国庫負担金の介護給付費負担金(歳入)は、国が定める対象月で交付を受けておりますが、期ずれにより歳入・歳出それぞれの対象月が異なっていたため、国庫負担金の実績報告書に添付する決算書(見込額)抄本の合計額は、国が定める対象月に合わせるため、歳出の決算額と異なっていました。なお、歳入と歳出の相応する月の保険給付費の額は同額となっています。
この期ずれの状態を是正するためには、令和6年度に保険給付費を13回分支出する必要があるため、市議会の令和7年3月定例会において、保険給付費(歳出)の予算額を増額し、その財源として一般会計から介護保険特別会計に2億1千万円を繰り入れる補正予算を計上しました。市議会の議決を受け、令和7年4月支払分を令和6年度予算で支出することで、現在期ずれは解消されました。
この2億1千万円の対応について、これまでは今後の保険料に上乗せし、一般会計に返還する旨の説明をしておりましたが、介護保険運営協議会に諮問を行い、協議を重ねた結果、本来過去の被保険者が負担すべきものを将来の被保険者が負担することには理解を得られないことなどを考慮し、一般会計で負担することと判断いたしました。市民の皆様に広くご負担をお願いする結果となり、誠に恐縮ですが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
介護保険特別会計における不適正な事務処理による支払月の期ずれの解説は、市のHPに掲載しておりますので、ご確認ください。
和光市長 柴﨑 光子

支払月の期ずれの解説(市HP)
※二次元コードは本紙をご覧ください。

問い合わせ:健康部 長寿あんしん課
【電話】424-9125