- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県伊奈町
- 広報紙名 : 広報いな 2025年7月号
健康診断や検査で胃カメラやバリウム検査を勧められたことがある方も多いのではないでしょうか。どちらも食道・胃・十二指腸の病気を見つけるための検査ですが、どちらがおすすめか、結論から先にお伝えしますと胃カメラです。
■胃カメラのほうがなぜ良いのか?
一番の理由はシンプルに早期がんの検出率がバリウム検査と比べて高いことにあります。バリウムは影を見ているため質的診断が難しく、その点胃カメラは高画質のカメラで直接表面の構造を見ることができるため、微細な異常に気づくことができます。加えて、胃カメラには光の色調を変える機能があり、短い波長の青い光にすることで粘膜表層の毛細血管が強調され腫瘍かどうかの評価をすることもできます。怪しいと判断した場合にはその場で組織を取り、確定診断までつけることができます。また、偶発症のトラブルが少ない点も胃カメラの良い点です。
バリウム検査では放射線被ばくがあること、バリウムが腸管に残ることで腸閉塞や虫垂炎を引き起こすことがあります。他にもバリウムが肺に入ってしまう誤嚥や、検査時の体位変換による転倒などもあります。
胃カメラの場合には接触による出血などもありますが、大出血に至ることはまずありません。オエっとすることもありますが、鼻から胃カメラをいれることで嘔吐反射を軽減できたり、また、鎮静剤を併用することで眠っている間に受けることもできます。
■どちらがオススメ?
結論として、詳しく調べるためには胃カメラの方が優れています。
胃の健康を守るためには、定期的な検査が大切です。どちらの検査も大事ですが、より詳しく調べたい方は、ぜひ胃カメラを検討してみてください。
〈提供:(一社)桶川北本伊奈地区医師会〉