子育て 【特集】こども食堂をささえる力
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- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県宮代町
- 広報紙名 : 広報みやしろ 令和7年8月号
「こども食堂」は地域の身近な場所に子どもたちの居場所をつくる活動です。そこには開催を支える人材も集まります。子ども同士の交流だけでなく、地域の大人たちとのつながりも生まれます。町社会福祉協議会、辰新田地区、道佛地区の取り組みを紹介します。
■「ゆうやけひろば」の取り組み
◇こども食堂、8年目
「宮代町でも、こども食堂を開催したい」という声が町社会福祉協議会に寄せられたのは平成28年でした。子どもたちが、気軽に来られるような場所、月1回でもいいので、みんなで楽しく食事をし、時を過ごせる場所をつくれたら、という思いからでした。
この思いに町民有志の皆さんが賛同し、町社協は「ゆうやけひろば」という名のこども食堂を進修館で開催することにしました。名前のとおり、夕方にはじまり、夕ご飯を一緒に食べる会です。
それから8年、「ゆうやけひろば」は月2回、第2土曜日と第4木曜日に定期的に開催しています。午後5時から7時半までの開催です。時間になると子どもたちが友だちや、お父さん、お母さんと一緒にやってきます。進修館は、子どもたちの声でとても賑やかになります。
◇月2回の楽しい居場所
「ゆうやけひろば」はたくさんの町民に支えられています。
開催日、「新しい村」では生産者に野菜の提供を呼びかけます。コンテナには生産者たちが、その日提供できる野菜を入れていきます。東粂原にあるアリシア農園は前日に食材を町社協に届けます。町内の農家からお米も寄付されます。
ボランティアの皆さんは、午後3時から調理をはじめます。次々に食材を調理していき、「あうんの呼吸」で皿に料理が並べられていきます。「お母さんたちも頑張っているから、たまには、ここでゆっくりしてもらえれば」とメンバーの1人は話します。お母さんにとっても、ここは息抜きができる場所です。
こども食堂は、キャンプで知らない友だちと一緒に食事をするような、そんなあたたかい場所だな、と感じました。
■各地にひろがる「こども食堂」
◇辰新田地区 地域みんなのサポートで
辰新田地区(宮代町本田)が、こども食堂を始めて丸2年になります。この数年、開発が進み、転入者も増えた同地区。地域内のみんなが交流できる場所が必要だと感じた区長の横倉さんは、子どもが集まり交流できる場所を作りたい、そんな思いから集会所でこども食堂を始めました。
集会所で活動している地域交流サロン「金曜クラブ」のメンバーに声をかけたところ、ボランティアとして手伝いたいという声があがり、こども食堂を始めることにしました。始めるにあたっては町社協の「ゆうやけひろば」を見学したそうです。
最初はおにぎりの提供から始めましたが、今はカレーライスが定番です。月1回開催し、毎回、30人ぐらいが集まります。「集まった人たちが地域に興味をもってくれたら良いキッカケになる」と横倉さんは期待します。
◇道佛地区 集会所Open Day(オープンデー)
新しい住宅地が広がる道佛地区。道佛1町会区長の金子さんは住民同士が交流する機会をつくる必要があると感じていました。
以前から季節ごとにイベントなどを開催していましたが、昨年度からは「集会所Open Day(オープンデー)」を毎月開催することにしました。子どもの遊び場と、こども食堂がセットになったイベントです。
この催しでは父母の有志がスタッフになり、子どもたちと一緒に遊んだり、カレーライスを作ります。時には、地域の大人や子どもで一緒に遊ぶグループ「ナナメのあそび場」の皆さんも加わります。
カレーライスが出来上がると、大人たちのかけ声で、子どもたちは座布団を出すお手伝い。やがて、席に座り、大人も子どもも一緒にカレーライスを食べ始めます。「将来はもっといろいろな世代の交流が日常的にできれば」と区長の金子さんは、その思いを語ります。
こども食堂は地域のみんなの連携プレーで開催されています。それぞれが、できる範囲で無理をせず支援する、その小さな積み重ねの成果なのだな、と感じます。たくさんの人に支えられ、こうした取り組みが町の中で広がっているのを誇らしく感じます。
問合せ:
こども食堂…町社会福祉協議会【電話】32・8199
※「ゆうやけひろば」ではボランティアを募集中です
こどもの居場所づくり事業…こども笑顔担当【電話】34・1111 内線324