文化 市美術館コレクション探訪

■菅谷元三郎(すがやもとさぶろう)
《老人像》昭和3年(1928) 千葉市美術館蔵
菅谷元三郎(1895-1946)は中央区赤井町の豪農・藤井家に生まれました。戦前の千葉の街や風景を思うままに描いた無縁寺心澄(むえんじしんちょう)(本名・藤井茂樹)は彼の甥にあたります。千葉中学校(旧制)を卒業後、東京の太平洋画会研究所で洋画を学びました。20代後半に当時千葉県の教育者として全国に知られていた菅谷浅五郎の養子となり、菅谷姓を名乗るようになります。本作品は1928年に制作され、帝展(現在の日展)に初入選した作品です。一見地味な作品ですが、蒸気機関車を運転する機関夫のしっかりとした骨格がうまくとらえられています。彼はこの後、農業に従事するひとびとを主なテーマとして展覧会で発表しました。
(常設展示室にて2月4日(火曜日)から4月6日(日曜日)展示)