健康 歯丈夫 胃丈夫 大丈夫(vol.242) 歯を大切に健康で明るい未来のために

■要介護者に多くみられる「食事」のトラブル
「食べる」という行動の際に起きるトラブルには、食べ物を見ても反応しない、唇がうまく動かない、舌がうまく動かない、むせてしまう、吐き出してしまう、などさまざまなものがあります。
「食べる」という行動は、次の要素から構成されています。
認知期…食物を目で見て認識する段階
捕食…食物を口唇と歯で口の中に取り込む段階
咀嚼…食物を飲み込めるサイズにまで処理し準備する段階
口腔期…食塊を口から喉へ移動させる段階
咽頭期…食塊が嚥下(えんげ)反射にて咽頭を通過する段階
食道期…食塊が食道を通過して胃へ送られる段階

この中で起きるトラブルとして最も問題なのが、「咽頭期」に生じてしまう「誤嚥(ごえん)」です。食物が食道を通過して胃に入ることを「嚥下」といい、食物が誤って気管に入ってしまうことを「誤嚥」と言います。誤嚥してしまった場合、健康な状態であれば、むせることで気管から吐き出そうとします。しかし、喉の感覚や運動がうまく機能していないと、気管に食物が入り込んだことを感じることなく、咳(せき)で吐き出せずに誤嚥してしまうことがあります。
食事中の誤嚥が原因で発症してしまう肺炎を「誤嚥性肺炎」といい、現代社会の高齢者の死亡原因の上位に入っています。
食事は、唇・舌・顎などの器官がうまく動作するだけで成立するものではなく、それぞれの器官が連携して動作し、健康な状態であることが必要です。食事のどの部分に問題が生じているのかを歯科医師などと一緒に把握し、改善を考えていくことでトラブルのない食事を目指しましょう。

松戸歯科医師会では、市内に住所があり、要介護3・4・5と認定されている75歳以上で通院が困難な在宅療養者(施設入居者、現在歯科治療中の人を除く)を対象に無料在宅歯科健診を行っています。それ以外の人でも健診を受けられる場合がありますので、いつでも気軽にご相談ください。

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