くらし [特集]とうがねの農業を未来へつなぐ 4

■料理やお菓子で野菜たちを届けたい
・阿あべ部巧(たくみ)さん・ひかるさん 令和5年11月に就農 小規模多品種(にんじん、ビーツなど)を生産 野菜を加工したお菓子なども手がける
◆夫婦二人三脚での出発
二人とも、料理に携わっていく中で、料理人として自分たちが調理する、日々食べる食材は自分自身で作りたいという思いから、就農を志しました。
巧さん:北海道の大学の農学部で学び、自然の中での仕事や農業の可能性に魅力を感じていたことも大きかったです。
ひかるさん:理栄養士として進む道を模索していた頃からの、病気になる前の予防(予防医学)、特に人の健康の土台になる食事を作りたい、という気持ちが根っこにあります。また、就農するなら生まれ育った東金で、という希望もありました。

◆野菜作りのゴールは料理やお菓子
就農という新しい挑戦には、不安だけでなく、楽しみな気持ちも大きかったです。就農前からお菓子の製造販売を行っていたので、販路が少しあったことも、プレッシャーが少なかった理由かもしれません。
作ったことのない作物にも挑戦しており、日々、大変なこともあるけれど、やはり楽しいなと感じます。
何より、時間をかけて育てた野菜は本当においしいです。どんな料理やお菓子を作ろうかと考えながら作付計画を作るときは、夢が膨らみますね。
作物づくりから、調理(加工)までを経験すると、食材の尊さがより感じられる気がしています。
また、想像よりたくさんの方が、自分たちのストーリーへの興味や、農業への関心を持ってくださることが嬉しいです。お菓子は、道の駅みのりの郷東金や産業祭でも販売しています。

◆子どもたちのきっかけづくりにも
可能な限り環境負荷の少ない営農をしていきたいです。カフェで出る残渣や、使わなかった資源の堆肥化もしたいと考えており、地域の飲食店などとも連携が取れたらいいなと思います。
また、子どもたちや学生の皆さんが農業や料理に触れるきっかけになるような体験や場所を作ったり、料理教室なども開催できたらと思っています。

◆一緒に農業を
大変と言われることも多い職業ですが、実際にやってみると、楽しいと感じることが多く、とてもやりがいのある仕事だと思います。
ぜひ、同じ地域で一緒に農業を盛り上げていけたら嬉しいです。

■PICK UP 有機野菜の栽培講習会
野菜を育てる技術を基礎から学べる栽培講習会を行っています。家庭菜園を始めたい方、上手に作りたい方、将来的に直売所に出荷できるような生産者を目指す方にもおすすめです。

問合せ:農政課
【電話】50-1131

■PICK UP 地元の農産物はこんな場所でも買えます
新鮮な地元の農産物は、スーパーの特設売場やJA緑の風、道の駅みのりの郷東金などで購入できます。
今夜の献立に地元産、旬の農産物を一品足してみるのはいかがでしょうか。