くらし [特集]とうがねの農業を未来へつなぐ 3

■東金のいちごを盛り上げたい
・ユカルヒ農園 吉川(きっかわ)貞雄(さだお) いちごを生産 アイスなどの加工品も手がける
◆東金の地へ移住
埼玉で2年間、山武市で1年間研修を受け、令和元年4月から東金で独立し、就農しました。
子どもが生まれ、食に興味を持ったのが、就農を考えたきっかけですね。当時は、ものづくりが好きで、埼玉で吹きガラス職人として働いていました。工房を構え、自分で食べる分の食料を自給しながら残りの時間を仕事などを行う半農半Xのライフスタイルを模索していました。
結局はどちらも中途半端になると思い、ものづくりの原点である農業を生業にするため、就農活動を開始しました。
紆余曲折を経て、上の子どもが小学校に入学するタイミングで東金に移住。就農するに当たり、いちごを選択しました。

◆お客さまの声がモチベーション
始めは不安だらけでした。ですが、全て自分の責任でやれるのと、自分で作ったものがダイレクトに評価される環境への期待の方が大きかったですね。
直売がメインなのでお客さまの率直な評価が直接聞ける。それが仕事のモチベーションとなる。それは農業、ひいてはものづくりの醍醐味であると思います。
東金のいちごを盛り上げていくのはもちろんですが、いちご以外の農作物もポテンシャルが高いものが多いので、さまざまな生産者と協力できればと思っています。

◆自分だけのやりがいを
資材や人件費の高騰など、農業を取り巻く環境は年々厳しくなっています。その割に価格は低迷しており、正直大変です。ですが、まだまだやり方はいろいろあると思います。
就農してから、植物生理や、経営者として簿記の知識は必要だと感じました。就農するのは意外に簡単ですが、その後続けていくのが大変です。就農を考えている方は、できるだけ準備することをお勧めします。
厳しいこともありますが、それ以上にお客さまに喜んでもらえた時、おいしいと言ってもらえた時は農業をやって良かったと思えます。自分はそこにやりがいを感じています。
自分にとってのやりがいを見つけられれば続けていけると思います。

■PICK UP とうがねにある農業大学校で農業技術を学ぶ
東金市には、県内唯一の農業大学校があります。大学校で行っている就農を目指す方向けの研修を紹介します。
◇農業者養成研修
3カ月、6カ月、1年コースがあります。農業経営者に必要な専門知識や技能について、農場実習や講義、校外学習などで栽培から販売まで学べます。今年は、20代~50代までの幅広い方が学んでいます。
対象:これから農業を目指す方や農業を始めていて、技術を習得したい方

◇就農準備講座
働きながら農業の基礎を学べます。
日時:5~6月の土曜日(計7日間)
対象:将来、県内で職業として農業に取り組もうとしている方
※来年度の申込受付は、令和8年1月(就農準備講座は2月)を予定しています。詳細は12月頃にホームページに掲載予定です。