- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県香取市
- 広報紙名 : 広報かとり 令和7年9月号
■卒業~3年間の地域おこし協力隊を振り返って…
農業振興 分野 隊員
稲葉 真希(いなば まさき)さん
◇プロフィール
外資系ホテルや百貨店勤務を経て、令和4年9月に香取市地域おこし協力隊として着任。現代人の悩みである「糖化」に着目し、食生活の改善に役立つ農業を目指して活動中。
市長より委嘱状をいただいてから早くも3年を迎え、今年の9月で卒業となります。活動中は農政課や研修先の生産法人をはじめ多くの皆さんに支えていただき、さまざまな経験と新規就農をスタートさせるにあたっての心構えや「農業のいろは」について学ぶことができました。
1年目は、幅広い農産物を取り扱う農業法人のグループ内にある有限会社さかきに所属し、定植・防除や収穫などを中心に農作業を行いました。その間に意識していたのは、収穫時期を考慮し、作業の段取りや時間配分を逆算して考えることでした。また肥料袋や資材の積み方、土寄せをする際のくわの使い方など、ささいなことを正しくできることが作業量や正確性の質向上につながると学びました。
2年目以降はフリーに転身し、市内で長年農業をされている多くの生産者が訪れる、道の駅くりもと紅小町の郷に所属しました。生産者のもとに研修に行ったり、土作りや経験値などについてお話を伺い、勉強させていただきました。「林のような土作りができればどんな野菜もできるし、敵虫も寄ってこない」。土作りの大切さを改めて再認識しました。道の駅所有の畑では、サツマイモ、ニンジン、白菜、ナス、枝豆など、さまざまな農作物について新規就農の実践を想定し、種まきから収穫までの作業を経験しました。同じ市内でも、地区や集落により降水量や日照の時間帯が異なることを感じました。香取市がいかに広大であるかが分かります。
香取市には、農業に必要な水源と肥えた土壌があり、最高の環境であります。一方で集落や地域では耕作放棄地が多く見られます。1畝1反でも多く畑を開拓し、地域の発展に貢献できる生産者になれるように頑張りたいと思います。
3年間本当にありがとうございました。
■イベント~防災ツアーを実施しました!
このツアーの特徴は、豊かな自然の中で、支援を待つのではなく「そこにあるもの」で生活をどう立てるかを一緒に考えるというもの。参加者は、段ボールで椅子や机を作ったり、生活用水の確保や、火をおこしての調理などを体験。買うことやあることが当たり前なものを自ら用意することは、誰もが「もしも」のときを意識する印象的な経験となりました。
避難グッズを確認する「自助」、参加者・スタッフ全員で協力して寝床や食事を準備する「共助」。いざというときに最も力となる「人とのつながり」の大切さを改めて確認しました。皆さんも今、この機会に「もしも」への備えを始めてみませんか。