- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県大多喜町
- 広報紙名 : 広報おおたき 2025年11月号(NO.686)
令和7年10月22日[第16号]
■柿、栗…果樹のジレンマ
◇食べられないまま動物を誘因
昔と変わらず美しい山々の風景がひろがる大多喜町。秋には色づいてきた柿や栗、ユズなどの実を収穫できるのが楽しみですね。
残念ながらそれを望めない地域もあります。サルに木の場所を覚えられ、庭先にも関わらず、柿やミカンを食い散らかされる。イノシシやシカに先を越されて栗が全然落ちていない。食べたいから木を残しているのに動物に先に食べられる、そしてその木があるから動物が来る…という矛盾に苦しんでいます。
果樹の一本一本は昔からそこにずっとあり、思い出にも根付いているものです。ただ、動物が増えすぎた昨今、一旦立ち止まり、仮に動物が来なくなった時に全収量を活用できるか?を考え、枝を減らしたり伐採の決断をすることも必要になってきます。
■できることから少しずつ
とはいえ、伐採の手間や危険、業者に頼む場合の費用、公共エリアであれば権利関係の確認など、条件はさまざまですぐに実行するのは難しい場合もあります。
まずは、お住まいの地域の中で皆さんに意識してもらうことが大切だと思います。通勤や散歩の途中で、道路沿いのあの柿の木は誰かが収穫している?放置されている?昨日は柿が道路に落ちてつぶれていたのに今日見たらキレイになっているから、落ちた実が動物に食べられている?などの情報を集めましょう。それらを地域の集会などで話題にしていただき、データをまとめて果樹マップの作成や伐採の計画を立てるなど、周りと協力していくことで解決に向かうもしれません。
◇落ちた実を放置しないだけで効果有
また、成った実は全量収穫していただくことや、落ちたままの実は拾ってゴミに出していただくことにも非常に効果があります。エサが落ちていないことが多ければ、木に登れないキョンやイノシシはあきらめて来なくなります。獣害対策はできることから少しずつ続けるのが大切です。
その他にも対策につながるいろいろなアイディアがあるかもしれません。ぜひご意見をお寄せください。
■最新獣害ニュースandポイント
◇イノシシの全町発生について
今年の夏は町内の広い範囲で、イノシシの出没・掘り返し被害があったようで、電気柵や防獣ネットの補助金を活用してくださる方が増えました。栽培品の食害自体は減る傾向にあるようですが、電気柵を片付けたとたんに2番穂を狙って再度掘り返しに来たケースも見受けられます。来年も作付け予定であれば、刈入れ後も電気を流しておくと効果的です。
■町の捕獲状況

ピークは過ぎましたが、スズメバチやヤマビルはまだまだ活動中です。屋外での作業の際は十分にお気をつけください。
文責:鳥獣被害対策実施隊西畑地区担当 渡邊未来
ご意見、ご感想などお待ちしております
大多喜町役場農林課農政係
大多喜ラボ 渡邊 未来
