- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県鋸南町
- 広報紙名 : 町報きょなん 令和7年5月号
5月は1年でも気候が良く過ごしやすい季節ですが、この時期に一番多く発生する自然災害がありますが、ご存じでしょうか?答えは、「雹(ひょう)」による災害です。
積乱雲の中で水蒸気が氷結して氷になりますが、上昇気流が強い場合、落下せずに成長しながら上昇し、大きさが限界に達すると氷の粒として地表に落下します。この際、直径が5mm以上のものを「雹」と言います。冬は、上昇気流が弱く、夏は、上空の寒気が弱いため氷の粒が成長しにくいのですが、5月は、日照により気温が上昇しやすく、また、上空の寒気も残りやすいため、雹の成長に好適な条件となります。
雹は、大きさにより、落下のスピードが変化し、1cm程度まで育つと農業設備や車両等に被害が発生し、5cm近くになると落下速度も100km/hを超え、人が負傷したり、場合によっては死亡につながる場合も出てきます。
雹には、「雹注意報・警報」のような、気象注意報はありませんが、「雷注意報」が発令された場合には、注意をしてください。また、雹が発生する場合には、黒雲、冷たい風、突風及び急な雨といった事象が見られる場合が多いです。このような兆候を感じたら、つとめて早く、頑丈な屋内に避難しましょう。
屋内に迅速な避難が困難な場合は、次の事項に注意しましょう。
(1)かばんや衣類などで頭を守りましょう
(2)樹木などの高い木の周囲は落雷の危険性があるので避けましょう
(3)車は、窓が割れて視界が奪われる危険性があるので、安全な場所で停止しましょう
雹は、そのほとんどが10分以内という短時間で、狭い範囲に集中して降りやすい傾向があります。落ち着いて少しの時間をやり過ごせば安全なので、落ち着いて行動しましょう。