くらし シンガポール派遣報告(国際交流ツアー)(1)

区では、人類が抱える課題を主体的に考え、積極的に行動できる人材の育成のため、区内の青少年を海外へ派遣しています。
今回は、多文化共生や環境保護、イノベーション創出などの分野で先進的な政策に取り組むシンガポールに派遣し、令和6年12月9日~14日の6日間、現地の事情調査を行いました。公募で選ばれた区内在住者12名が、現地施設の訪問や人々との交流を通じて学んだシンガポールの実情を皆さんにご紹介します。

派遣団参加者:本紙に掲載されています。

現地での活動内容や学んだことをまとめた報告書を作成しています。報告書は3月下旬から区のHPまたは問合せ先の窓口で閲覧できます(無償配布もあり(数に限りあり))。

■訪れた場所
シンガポールをよく知るためさまざまな場所を訪問し、自然や歴史、多文化性などを実感しました。他にもマーライオン公園、プラナカン博物館、シンガポール植物園、マリーナ・バラージなども訪問しています。

◇シンガポール国立博物館
1887年に建てられた国内最古の博物館で、700年以上にわたるシンガポールの発展の歴史を、さまざまな展示品とともに紹介しています。植民地以前のシンガポールの資料を確認でき、世界史の知られざる一コマを目の当たりにしました。

◇シティギャラリー
建国から現在に至るまでの都市計画と発展の様子を展示しています。摩天楼とも言うべき高層ビル群が林立する様子がうかがえ、国土は東京23区ほどの広さですが土地だけでなく空間までも有効活用していることが見てとれました。

◇チャンギ国際空港
シンガポールの玄関口で世界有数のハブ空港としても知られており、特筆すべきは手続きの簡素さと便利さです。パスポートを端末にかざすだけで通過でき、かかった時間は十数秒ほどでした。

◇チャイナタウン、アラブストリート、リトルインディア
中心部にある民族コミュニティ。イギリス統治時代に民族ごとに居住地を定めていた名残で定着しています。高層ビルが立ち並ぶシンガポールのイメージとは異なり、特徴のある低層家屋や店が立ち並び、エリアごとに別の国に来たような錯覚がありました。

◇ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
シンガポールを代表する高級リゾート施設のマリーナベイサンズのすぐ横にある、大きな庭園。南国の植物もあれば、中国式の庭園もあり、多文化を感じられました。本紙写真はスーパーツリーグローブと呼ばれる人工木で、ひときわ目を引く存在でした。

▽山本真衣さん
チャイナタウン、アラブストリート、リトルインディアは、それぞれ伝統的な食べ物が販売され、宗教施設も並んでいました。現地に訪れて、異なる文化を大切にしている国であると改めて感じました。

▽小川倫太郎さん
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイは壮大で、世界最大級の温室やテーマパークのような現代的な設計が印象に残りました。対して世界遺産のシンガポール植物園は伝統的な趣があり、それぞれ異なる魅力がありました。

■現地事業所訪問
シンガポールの3つの日系企業などを訪問し、シンガポールにおけるビジネスの状況や仕事への取り組み方などについてお話を伺いました。

◇アジア大洋州住友商事会社
日本から駐在している方や東南アジア出身で日本に留学・勤務経験のある方との懇談を行いました。
話の中で共通していたのは、「今いる環境に安住せず、積極的に新たな挑戦をされてきた」ということです。文化の異なる人々と働く際の心がけなどもお聞きし、新しい環境に身を置くことで得られるものの大きさを感じました。

◇JETROシンガポール事務所
シンガポールのビジネスについて講義していただきました。シンガポール国内では非常にデジタル化が進んでいますが、その背景として、都市国家であるため縦割り行政を排除しやすいことや、スタートアップ支援によって新興テック企業が現れやすい環境が挙げられるそうです。
建国に至るまでの歴史的な事情もあり、政府への国民の信頼が厚く、政府が新たな取り組みを進めやすい土壌があると学びました。

◇三井化学シンガポールR and Dセンター
会社の沿革や、どのように製品開発をしているのか、そしてシンガポールで働くことの所感などをお話しいただきました。化学の知識が必要になるかと身構えていたものの、かみ砕いて説明していただいたので、化学系の専攻でなくともよく分かりました。社員の方から、現地での勤務に至った経緯をお聞きする中で伺った「チャンスはあるようで少ない」という言葉は、とても印象に残っています。

▽吉川玲さん
企業視点でシンガポールについて学びました。特に驚いたのは、教育水準の高さや労働力不足などシンガポールと日本は多くの点で類似している一方で、規制は比較的緩いため、日本企業がシンガポールで実証実験を行い、その成果を日本に導入しているということです。