くらし 地域を守る! 消防団活動紹介(1)

今回は、区内の四谷・牛込・新宿の3消防団の活動内容や、活躍している団員の皆さんからのインタビュー等をご紹介します。ぜひ、一緒に活動してみませんか。

■消防団とは?
消防団は、災害からまちを守る最も身近な防災機関です。会社員や自営業、学生などさまざまな職業や年齢層の方々が所属しており、「自分たちのまちは自分たちで守る」という精神のもと、災害現場での消火・救助・応急救護活動や防火防災訓練の指導など消防署と連携して幅広く活動しています。


区内消防団のデータ(4月1日現在)

■消防団の活動
▼平常時
・災害活動訓練
・地域の警戒活動
・応急救護指導
・防火防災指導

▼災害時
・救助活動
・消火活動
・水防活動

▼活動頻度
活動実績は1人あたり平均22回/年

▼消防団の主な行事
1月 消防団始式
5月 合同水防訓練
6月 消防操法大会
10月 消防団点検
11月 総合防災訓練
12月 年末消防特別警戒

■消防団員インタビュー
消防団では、さまざまな年齢・職種の団員が活躍中です。今回は、新宿消防団に所属する母と娘の親子団員、学業の傍ら活動してきた若手団員の方からお話を伺いました。

▼母娘3人、愛する地域の安全を守る
(左)たみえさん(53歳、会社員)
入団歴 1年7か月
(右)さりなさん(26歳、会社員)
入団歴 1年7か月

○女性でも参加できる活動は多い
―消防団に入団したきっかけは?
さりな:消防団員だった父の姿を「カッコいいな」と思い、消防団に憧れを抱いていました。そんなとき、柏木公園の盆踊りで消防団員募集のチラシをいただいたのがきっかけで入団しました。
たみえ:次女(さりなさん)が入団したいという話を聞き、私や長女(さくらさん)も一緒に入団しました。こちらに引っ越してきて間もないころでしたので、地域の人たちとつながりを持ちたいという思いもありました。
―消防団ではどのような活動を?
たみえ:消防団は、有事の際にいち早く駆けつけ、消火や救助等をする立場にありますので、消火訓練や応急手当訓練などは欠かさず取り組んでいます。それ以外にも、団員を増やすための入団促進活動や、地域の防災意識を高めるための啓発活動も行っています。啓発活動として小学校で防災に関する指導をした際は、お子さんたちが一生懸命学ぼうとする姿を見て、「私の活動がみんなの役に立っている!」と実感し、入団してよかったと思いました。
さりな:私は防火貯水槽の点検も行っています。消防団というと、重労働のようなイメージがあると思うのですが、実際に活動してみると、力を使う活動ばかりではありません。例えば、消防署に泊まり込む訓練に参加した際は、署員の方々と急病搬送に同行するなど、性別関係なく参加できると実感しました。
たみえ:災害時には、高齢者やお子さんたちから話しかけやすいこともあるでしょうし、女性団員の役割は大きいと思います。

○自分ができることを、みんなのために
―消防団でのやりがいやよかったことは?
たみえ:上級救命講習を受け、救護法などを学んだことで、けがをした人や急病を訴える人への対処を、焦らずに速やかにできるようになりました。消防団での活動が、普段の生活にも活かせるようになっていくうちに、相互扶助…つまり「助け合い」を大切にしようという気持ちが強くなりました。周りの人を思いやり、助け合うことは、災害時だけでなく、どんなときでも大切なことです。「たとえ些さ細さいなことでも、私ができることを、みんなのためにしよう」という意識が、消防団の活動を続けるうちに根付いた気がします。
さりな:私の場合、職場でもプライベートでも年齢の近い人と触れ合うことが多いのですが、消防団員の年齢層は幅広いので、さまざまな世代の人と触れ合えるのも消防団のいいところだと思います。「人生の先輩」ともいえる団員さんたちからは、地域のことをはじめ、いろいろなことを教えていただいたり、相談に乗っていただいたりすることもあります。私からは、パソコンやスマートフォンの使い方が苦手な年配の団員さんに、操作を教えることもあるんです。
たみえ:これもまさに「助け合い」のひとつですね。性別や年齢などの垣根を超えて支え合い、力を合わせられるのが消防団の魅力ですね。

○消防団活動が自分の成長にもつながる
―入団を検討している方へメッセージを
たみえ:「女性が消防団員になるのは大変そう」なんて思われるかもしれませんが、そんなことはないんですよ。一人一人が活躍できる役割もたくさんあります。ぜひ、多くの方に興味をもっていただきたいです。
さりな:消防団の活動スケジュールは事前に決まっていますし、必ず参加しなければいけないのは月に1~2回程で、私のように仕事をしながらでも活動できて、多くの人の役に立てるなんてすごいことですし、活動しているうちに「私、成長したかも!」と思えるんです。

▼学業と活動を両立!若い力が災害から地域を守る
菅村(すがむら)晴矢(はるや)さん(22歳、会社員)
入団歴 1年11か月

―消防団に入団したきっかけは?
菅村:学生時代に参加した防災イベントで、新宿消防団のブースがあり、消火訓練などをさせていただいたのがきっかけです。
―消防団ではどのような活動を?
菅村:さまざまな訓練のほかに、地域の防災資器材の見回り等も行っています。どの活動も、自分の都合を優先して無理なく参加できるため、学生時代には勉強との両立もできました。
―消防団でのやりがいやよかったことは?
菅村:住民の方々とつながりを持てたことです。地域の防災資器材の見回りをするうちに、古くから住んでいる方や、地元に根付いた商店を経営されている方と出会い、その方々と「地域を守る」という気持ちでつながりを持てたことで、私自身も地域の一員としての意識が強くなりました。地域の皆さんに「ありがとう」と言われるのは、何よりも励みになります。
―入団を検討している方へメッセージを
菅村:消防団員は地域社会を支える一員であり、どんな人でも楽しく活動できると思います。これから地域を支えるのは私のような若い世代です。ぜひ、一緒に活動しましょう!