- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都台東区
- 広報紙名 : 広報たいとう 令和7年6月20日号
■その二 蔦重が手掛けた出版物(2)
◇一目千本(ひとめせんぼん)
本書は蔦重が初めて手掛けた出版物です。
蔦重は江戸で広まっていた生け花に目をつけ、遊女を花に見立てて紹介しました。画は当時人気絵師であった浮世絵師北尾重政(きたおしげまさ)が担当しています。
◇雛形若菜初模様(ひいながたわかなのはつもよう)
西村屋与八(にしむらやよはち)と蔦重の共同で出版し、絵師に礒田湖龍斎(いそだこりゅうさい)を起用した多色刷りの錦絵です。従来の美人画と比べて判型の大きい大判を使用し、遊女を大きく描きました。
◇青楼美人合姿鏡(せいろうびじんあわせすがたかがみ)
山崎金兵衛(やまざききんべえ)と蔦重の共同で出版し、絵師に北尾重政と勝川春章(かつかわしゅんしょう)を起用した錦絵本です。見開きで妓楼ごとに3~5人の遊女の着物が鮮やかな赤色で摺られており、「松葉屋」には5代目瀬川の姿が描かれています。四季のうつろいとともに、読書や生け花等、思い思いに過ごす遊女の日常が垣間見える作品です。