くらし すみゆめプロジェクトの「これまで」と「これから」(2)

◆こんな成果がありました
◇“すみだでしかできない”多彩な企画を毎年開催!
すみだの地域特性をヒントに、参加団体による多彩な解釈がダンスや演劇作品等に落とし込まれ、すみだならではのアート企画が誕生しました。中には、地域課題に向き合うことを出発点にした企画も。また、各企画の実現に向けて事務局が「伴走支援」を行い、照明や音響等の技術的な相談から、公共空間の使用申請まで幅広くサポートします。10年間の経験の蓄積や関係構築が、多くの企画に活(い)かされています。

「両国橋アートセンター・ストリートピアノすみだ川」(もんてん/2017年から2024年まで)隅田川テラスにピアノを設置し、誰でも自由に演奏や鑑賞できる場を作り、来訪者同士の交流を生み出した。常駐する「演奏サポーター」が伴奏したり、打楽器でリズムを加えたりする。時には大道芸とのコラボも。

「Agoraphobia」(Token Art Center/2021年)7組のアーティストが会場を回遊しながらパフォーマンスし、周囲の風景や参加者の行動と混ざり合うことで生まれる「分からないもの」との遭遇を体験する企画。隅田公園そよ風ひろばや隅田川を使用したため、複数の管理者との交渉や申請手続を事務局がサポートした。

◇伴走支援により企画を実現!すみゆめ発の作品が評価される
企画実現に向け、事務局の手厚いサポートが受けられることなどが認知され、プロアーティストからの応募が増加しています。また、舞踏公演「そぞろ」は、国内の大手英字新聞に大きく取り上げられ、台湾に招かれて公演を行いました。さらに、映画「煙突清掃人」は、文化庁の育成事業への選定や、映画祭での受賞を果たしています。すみゆめ発の作品が地域の枠を超えて国内外で紹介され、注目を集めています。

舞踏公演「そぞろ」(AGAXART/2024年)「北斎漫画」とすみだの文化を融合させた斬新な舞踏作品。すみだの工場・銭湯・長屋等から刺激を受けて振り付けと音楽を創作。過去と未来、北斎の魂が交差し、すみだの隠された魅力と迫力を体感できる。

映画「煙突清掃人」(ハイドロブラスト/2024年)江戸時代から続いてきた銭湯文化に関わる職人たちの技術を伝承すべく、国内でも減っている「煙突清掃人」を取材。その手仕事を軸に銭湯文化の日常を描くドキュメンタリー映画を製作・上映した。

◆これまで実施した中で反響があった企画
数ある企画の中で、特に大きな反響があった企画をご紹介します。

◇ファスナーの船/鈴木 康広(2018年から2021年まで)
飛行機の窓から東京湾を見下ろしたときに、海を進む船と航跡がファスナーで海(地球)を開いているように見えたことから生まれた。古くから都市の境界線という役割を担ってきた隅田川を「ファスナーの船」が航行し、水面を開きながら対岸をつないでいく。YouTubeで公開した動画は15万回以上再生され、昨年にはブラジルの邦人向け番組でも紹介された。

◇謎音“水底から鳴る鐘”/謎音研究所(2024年)
向島界隈を舞台に繰り広げられた没入型のツアーパフォーマンス。参加者は、音を聞くことで失踪した人もいるという「謎の音」を解明する調査員として、スマートフォンを頼りに音声ガイドやパフォ-マーに導かれながら街全体を劇場として回遊する。「日常との境目の曖昧さを体験できる」と参加者から好評を博した。

◇PING PONG PLATZ/PPP collective(2023年から)
卓球台を区内の屋外公共空間に置くことで、人々が集まる場所を作るアートプロジェクト。昨年はキラキラ橘商店街の空き地に設置し、端材を使った卓球ラケット制作ワークショップ等も開催。ベルリン(ドイツ)を中心としたヨーロッパの公園では、屋外に設置した卓球台が新たな出会いを生み、交流、学びを促す社会的な機能を果たす。

◆今年もすみゆめ始まっています!
日時:12月21日(日曜日)まで

プロジェクト企画を11件と、主催企画を2件開催します。同時期には区内で多くの「ネットワーク企画」も開催されます。事前申込みが必要な公演やワークショップ等もあるので、詳細はこちら「すみゆめ通信」(「北斎を知る」内)か、イベント公式HPをご覧ください。

◇イベント公式SNSもチェック!
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問い合わせ:文化芸術振興課総合的芸術祭・すみゆめ担当
【電話】03-5608-2822