- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都墨田区
- 広報紙名 : 墨田区のお知らせ「すみだ」 2025年9月11日号
◆改めて、「すみゆめ」とは?
正式名称は「隅田川 森羅万象 墨に夢」。アートを通じて街の魅力を見いだし、身近な場所での新しい出会いを紡ぐアートプロジェクトです。9月から12月までのメイン期間中は、街なかや隅田川を舞台にした「プロジェクト企画」と「主催企画」が開催されます。メイン期間以外でも、参加団体が集う場を設け、すみゆめの趣旨に賛同する企画と広報連携によるネットワークを広げるなど、1年を通して活動しています。
・公募で選ばれた団体が行う「プロジェクト企画」
・実行委員会自ら企画し実施する「主催企画」
・すみゆめと広報連携を行う「ネットワーク企画」
◆どんな特徴があるの?
◇こんなところでも!?区内の様々な場所がアート会場に!
すみゆめのキーワードである隅田川や葛飾北斎にちなんだ場所のほか、企画に合わせて銭湯や福祉施設、区施設で開催。さらに、公園や寺社、商店街等の誰でも入れる公共空間や、空き工場や旧校舎等でも行い、その場所の歴史や魅力を引き出し、にぎわいをもたらしています。
「共に在るところから」(藝と、ファンタジア!ファンタジア!事務局/2022年)「地域福祉とアートのつながりを考える展覧会」と題し、区内で100年にわたり保育事業を続ける興望館で開催。施設に保管された歴史資料と、そこから着想を得た作品を展示した。
◇作品を創って出演も! 参加体験型の企画がある!
アーティストと一緒に体を使って自分なりの表現を探るワークショップ型の企画や、子どもたちがプロのクリエーターとアイデアを出し合って舞台を創り上げ、その舞台に「出演者」として参加する企画もあります。公共空間で人々の交流を促すようなプロジェクトもあり、普段できないことを体験できます。
「すみだみらいアーティストプロジェクト“Hawk’s eye 北斎の見た世界”」(SPUTNIK/2024年)子ども対象の舞台創作プロジェクト。ダンス・歌・演技等、様々な要素を盛り込んだ舞台作品をプロ指導の下、子どもたちのアイデアとともに創作する。
◆語るうえで外せない!すみゆめ4つのキーワード
1 隅田川
昔から物語の舞台となり、催事等で人々が集う隅田川。江戸文化を育み、都市の流通を支えてきたこの川にまつわる文芸や芸能、歴史をヒントに、美術・舞台作品等が企画され、川や船、テラスなど屋内外の様々な場所で企画が行われています。
「すみだ川ディスコwithミラーボールカー」(すみゆめ実行委員会ほか/2018年)車をミラーボールに見立てた“ミラーボールカー”が光を放ち、隅田川をディスコに変えた。
「隅田川を眺めるプロジェクト」(BUGHAUS/2020年)過去の治水対策の名残で一部が残る「カミソリ堤防」をバーカウンターに見立て、バーテンダーが飲み物を提供した。
2 葛飾 北斎
すみだに生まれ、93回も引っ越しながら90年に及ぶ人生のほとんどを区内で過ごした葛飾 北斎。森羅万象あらゆるものを筆で捉え描き続けた北斎を敬い、その作品や生き方を手掛かりに、アーティストによる多彩な表現活動が披露されています。
「北斎祭りプラス」(すみゆめ実行委員会ほか/2019年)しりあがり寿氏監修の「ちゃんこねぷた」を弘前の組ねぷた団体が制作し、北斎祭りに参加した。
「HOKUSAIラプソディア」(劇団M.M.C/2019年)北斎が生きた江戸末期の隅田川周辺の庶民の暮らしぶりや文化を音楽とダンスに乗せて届けるミュージカル作品。
3 地域資源
現在のすみだを形成してきた、“すみだならでは”のユニークなモノ・コト(職人・暮らし・歴史・町並み等)にスポットを当て、改めて見直し、その魅力を引き出すような企画が続々登場しています。また、隠れた地域資源等をテーマにした企画も生まれています。
「寺島浴場の怪人」(シアターキューブリック/2017年)銭湯を劇場としてそのまま演劇公演を開催。公演後は舞台となった街を歩き、感じて、物語の世界をより楽しめる。
「どんどこ!巨大紙相撲」(すみゆめ実行委員会/2019年から)身長180センチメートルの個性豊かなダンボール製巨大力士を「巡業」で創作し、最強力士を「本場所」で決する。
4 ネットワーク
参加団体同士の交流や情報交換、学び合いの場として、「寄合」を月1回開催しています。「寄合」が育んだ参加者同士のつながりによって、互いの企画での協働が生まれ、異なる分野のアーティストによる企画が発表されることもあります。
興望館で開催した「寄合」の様子。各企画の進捗状況を共有し、運営上の課題などを話し合う。発表会場として使えそうな場所の下見を兼ねることもある。
「江戸に浸(つ)かる」(寺島・玉ノ井まちづくり協議会/2017年から2020年まで)「すみだに新しく来た人にも地域に関わってもらいたい」という思いから企画がスタートした。