くらし 令和7年施政方針 誰もが生きがいを感じ 自分らしく暮らしていける社会へ(1)
- 1/29
- 次の記事
- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都品川区
- 広報紙名 : 広報しながわ 令和7年3月11日号
第1回区議会定例会は2月19日(水)に開会し、令和7年度の一般会計予算案や各種議案を審議しています。
開会にあたり、森澤区長は区政の運営方針と施策について所信を表明しました。
■区長施政方針(抜粋)
◇はじめに
私が品川区長に就任してから2年余が経過しました。就任以来、一貫して掲げてきた「誰もが生きがいを感じ、自分らしく暮らしていけるしながわ」。これまで、区議会をはじめとする区民の皆様と共に「新時代のしながわ」を創造すべく、様々な施策に大胆かつ積極的に取り組んでまいりました。
「幸福(しあわせ)」を予算に。
区民の不安や不満といった「不」を取り除き、未来に希望の持てる社会をつくるべく編成した令和6年度ウェルビーイング予算。ここで掲げた「区民の幸福(しあわせ)」の観点から新たな施策を前に進めることにより、今年度実施した世論調査において、区民の幸福度が前年度比で7.9ポイント上昇するなど、区民の幸福度は着実に向上しています。
区長としての任期の折り返し。これまで以上に区民のニーズと時代の変化をしっかりととらえ、皆様と共に、ここ品川からウェルビーイング*な社会を築いていくべく、全力で区政運営にあたっていく決意です。
*ウェルビーイング(Well-being)
厚生労働省では「個人の権利や自己実現が保証され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念」と定義している。
・区民の幸福実感度 (単位:%)
◇2040年問題を克服する
現下の社会経済情勢に目を向けると、我が国には、いわば「2040年問題」とも呼ぶべき大きな課題が横たわっています。
最新の人口推計によると、2040年の日本の総人口は、1億1,284万人になると推計されています。2020年には1億2,615万人でしたので、20年間で約1,300万人もの人口が減少することとなります。
人口構造別に見ると、2040年には高齢者の人口は3,928万人、高齢化率は35%に達すると見込まれています。過去最高だった2024年9月現在の3,625万人からさらに300万人以上、高齢者が増加することとなります。
一方、2040年の出生数は約72万人と推計されているものの、すでに2024年の出生数が70万人を割り込むとされており、推計をも上回る異例のスピードで少子化が進んでいます。歯止めがかからない少子化により、15歳から64歳までの生産年齢人口も年々減少し、2040年には6,213万人になると推計されています。2020年の7,509万人から約1,300万人の生産年齢人口が減少することとなり、労働力不足がより深刻になると見込まれています。
さらに、医療や介護の需要が増加することにより、社会保障にかかる財源不足が深刻化することも見込まれています。厚生労働省によれば、社会保障給付費は2040年には190兆円に達し、2024年度の138兆円と比較して約1.4倍に増加する見通しとなっていますが、こうした負担を、減少が続く現役世代で支えていかなければなりません。
我が国は、世界でも類を見ないほどのスピードで人口減少と少子高齢化が同時進行することにより、生産年齢人口の減少による労働力不足が予測されるほか、持続的な経済成長はもとより、現在の医療、介護、年金など社会保障システムを維持することすら難しい状況となります。社会の持続性すら危ぶまれる、深刻な局面に入っていくと言わざるをえません。加えて、世界規模で世の中が急激かつ急速に変化し、先が見通しづらい、未来の予測が極めて困難な時代へ私たちは突入しているのです。