- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都目黒区
- 広報紙名 : めぐろ区報 令和7年11月15日号
子どもたちと自由が丘に映画文化を根付かせたいです
自由が丘映画プロジェクト講師
田中 雄之(たなか たけし)さん(42歳)
宮崎大学地域資源創成学部准教授。慶應義塾大学経済学部卒業後、大手広告代理店での勤務を経て、東京藝術大学大学院で映像を学び独立。「株式会社コトプロダクション」を設立。幼少期から映画制作への憧れを持ち、その情熱を原点に、自由が丘を舞台にした「自由が丘映画プロジェクト」に参加する。
■10歳未満の子どもたちがつくる映画
「街の未来を担う子どもたちの感性を育む場所へ」をコンセプトに、イベントでアートブース出展やワークショップなどを展開し、アートを軸に街づくりを目指す自由が丘商店街振興組合のプロジェクトチーム「Jiyugaoka ART Community」が企画する「自由が丘映画プロジェクト」。そこで講師を担当するのは、映画監督・プロデューサーの田中雄之さん。「2回目となるこのプロジェクトでは、子どもたちの自由な発想とプロの技術を融合させた映画制作に挑戦しています」。そう話す田中さんが、まずは映画制作の技法を教えます。その後子どもたちが物語を考え、大人たちと撮影・編集を行い、発表会で完成作品を披露します。
■プロの挑戦に込められた、自由が丘への想い
かつて自由が丘に存在した映画館「自由が丘武蔵野館」(2004年閉館)で見た作品に影響を受け、幼少期から映画制作に熱中したという田中さん。大学卒業後は大手広告代理店で活躍しながらも、幼少期の映画作りの夢を思い出し退職し、芸術大学へ。その後、映像などのコンテンツを企画制作する会社を立ち上げました。
今では数々の作品を世に送り出している田中さんですが、街の人々と語り合う中で芽生えたのが、自由が丘で触れた映画文化を復活させたいという想いでした。「自由が丘に映画館をつくる」という目標を掲げ、まずは街の皆さんに映画を好きになってもらおうと参加したのが、このプロジェクトです。
■映画祭出品を目指し、原石を磨く
今回のプロジェクトで完成した作品は、国内外の映画祭へのエントリーも考えていると田中さんは語ります。プロジェクトの真骨頂である「子どもたちの発想」をできる限り生かすためにはどうすればよいかと試行錯誤が続きます。「映画制作のワークショップ自体が楽しかった!で終わらせず、作品にどう落とし込めるか。子どもたちのアイデアをどう作品にプロデュースできるか。困難な挑戦だと思っているので、やりがいがありますね」とすでに進行しているプロジェクトでの子どもたちの豊かな発想を楽しそうに語ってくれました。
今後はこのプロジェクトを継続して、「映画って面白いね」「自由が丘に映画館があったら素敵だね」と街の方々に感じてもらいたいと話す田中さん。「大人でも映画作りに興味があるかたがいたら、ぜひ一緒にやってみませんか」と、映画文化を育む仲間を呼びかけています。
