文化 第1回ロべのパームクラフト制作 地域の力を編み込む~ロベの葉が生まれ変わる瞬間~

■八丈島の誇り、ロベ。
「このままだと切葉出荷をする人なんてほとんどいなくなっちゃう?」「自分が付加価値をつけられるとしたら何だろう?」そんな思いから、ロベの切葉を使ったパームクラフト(編み細工)に取り組む方がいます。産業祭でご覧になった方も多いかも知れません。今回は末吉の沖山昭子さん、村山奈津子さんにお話をお伺いしました。

■きっかけ~消えゆく伝統に新たな息吹を~
冒頭のような危機感をばくぜんと持っていた昭子さん。ある日、アレカヤシを編んだ生け花に出会い、自分も挑戦しようと決意。網代編みやドライ加工など、工夫を重ねながら「まずは人に振り向いてもらえるような物を作ろう」と取り組んできました。

■苦労と挑戦~伝統と新しい試みの間で~
加工することで乾燥に強くなる一方で、「加工がロベの自然な美しさを損なわないか」と悩むことも。また、うまく乾燥するとシルバーがかった緑色に変わるものの、その変化にムラがある原因はまだ模索中だとか。
さらに、長年ロベを支えてきた先人たちへの敬意から、「このような加工を受け入れてもらえるか」という不安も抱えているそうです。

■やりがい~人との繋がりと新たな視点~
「人との繋がりができたことが一番のやりがい」と話します。ロベの幹で作ったコースターや花瓶には「これは誰が切った跡だろう?」と想像する楽しさも。作品を手にした方からは「ロベを見る目が変わった」「こんな生け方もあるんだ」といった声が寄せられる一方で、「もはやロベじゃないね」といった率直な意見も。しかし、そのどれもが今後の活動への励みになっています。
シンノウヤシ(学名…フェニックス・ロベレ二―、愛称:ロべ)は大正10年(1921年)に八丈島に来ました。八丈島は花卉園芸が盛んな島で、この1月に「切葉生産日本一」を発表しました。

■これから~ロベの魅力をもっと身近に~
「もともとは切葉の宣伝が目的。これを機にロベの良さを再認識してもらえたら」と語ります。例えば、編んだロベは長持ちするので、お遊戯会でティアラやリストバンドにしたり、供花として添えてもらうのもおすすめとのこと。
「身近なロベを、もっと身近に使って欲しい」…伝統を守りながら新たな価値を生み出すその姿勢は、八丈島の未来への希望そのもの。あなたも身近なロベで、ちょっとした手作りに挑戦してみませんか?

■ロべの三段活用~ロベの魅力を最大限に引き出す工夫~
(1)花器に生けて楽しむ
(2)切り戻したりどぶ漬けして再度生ける
(3)最後は葉を編んで遊ぶ

制作時には葉の節間の違いを見極めて編み方を工夫。「ロベ本来のしなやかさや美しさを損なわないように」と常に意識しているそうです。
(取材ご希望のお問い合わせは八盛隊(企画係)まで)

問い合わせ:企画財政課企画係
【電話】2-1120