- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県横須賀市
- 広報紙名 : 広報よこすか 令和7年3月号
■「農福連携」というコトバ、耳にしたことはありますか。農業と福祉、それぞれの現場が抱える課題の解決を目指す、新たな取り組みです。
現在、横須賀市ではパーソルダイバース株式会社とともに障害のある人が農業分野で活躍できる場を広げています。
農業と福祉の連携から生まれるモノとは―。
◇笑顔
障害の有無にかかわらず、笑顔でともに声かけ。一体感、チームワークを育む。
◇成長
補い合い、高め合いながら一緒に成長。ともに働く環境は、新たな機会や可能性を創出。
◇仲間
新たな出会いが互いの成長のきっかけに。支え合える仲間として、それぞれを尊重。
◇未来
障害のある中学生を対象に、農業就労体験を市内農家で実施。両者の未来が交わる瞬間に。
◇信頼
真摯に農業に向き合う互いの姿を通じて、深めた信頼関係が、業務効率・生産性の向上へ。
◇挑戦
新たな環境や視点が、両者の刺激に。さらなる一歩を踏み出せるきっかけに。
○新しい風が吹くことでさまざまなアイデアが浮かぶようになり、農業の規模を拡大して、より高い目標に挑めるようになりました。
小林農園(津久井) 小林さん
○障害の有無という意識はありません。連携したおかげで効率よく作業が進むようになり、一緒に試行錯誤しながら農園を作っています。
マル九農園(津久井) 志村さん
○誰でも農業ができる環境づくりを目指しています。今後は既存の作業を超えて、障害のある人に合わせた活躍できる農業を作りたいです。
株式会社 平凡野菜(秋谷) 藤原さん
■なぜ今、農業×福祉なのか?
◇それぞれが抱える課題
農業の分野では、農家の高齢化などによる担い手や働き手の不足が表面化しつつあります。一方、福祉の分野では、障害のある人が自信や生きがいを持って活躍できる職場の確保と、安定して長く働ける環境づくりが重要です。
◇補い合い、高め合う関係に
現在、市内では地域の農家と障害のある人が協力し合い、畑やハウスでさまざまな農作業を行う「農福連携」が広がっています。
農家側は人材を確保することで作業効率が向上し、新たな取り組みに挑戦する可能性が広がります。
福祉側は、多種多様な農作業の中から個々の特性に合った作業ができ、自然に触れることでストレスが解消され、精神的にも安定します。また、収穫を通じて仕事の喜びを実感し、自信と生きがいを持って働けるようになります。
本市では、人と人がつながりあい、互いに支えあうことができる「誰も一人にさせないまち」の実現に引き続き取り組んでいきます。
■農福連携から広がる新たな可能性
本市では、農業と福祉の両方の課題を解決するため、2018年に特例子会社(※)のパーソルダイバース株式会社と協定を締結。同社がよこすか・みうら岬工房(農作業事業所)を長沢に開設しました。従業員は5人から始まり、大矢部に2拠点目を開設。さらに地域の皆さんに長く親しまれてきた、旧JAよこすか葉山長井支店の建物を最大限に活用し、横須賀の農業の中心ともいえる長井に3拠点目を2024年末に開設しました。
現在、約40人の障害のある社員が農作物の生産を支えており、地域の農家から大きな期待が寄せられています。
※…障害者雇用に特別の配慮をし、厚生労働大臣から認定を受けた会社
◇連携のイメージ
■市内農家で従事する清水さんと石井さんの一日に密着!
◇一日のタイムスケジュール
・7:45 出社・朝礼
仕事の準備をし、体調や一日の作業内容などを確認
・9:10 午前の農作業
農家からの指示を元に作業を進めます
・12:00 昼休憩
・13:00 午後の農作業
午前中の作業の続きを行います
・15:30 作業終了
指導するスタッフに一日の作業内容を報告
・16:00 工房内の清掃
当番制で清掃を行い、一日の業務日誌を作成
・16:30 終礼・終業
翌日の確認などをして帰宅
▽石井さん(写真右)
農作業では土づくりから収穫までのほとんどの仕事を任せてもらえるため、さまざまなことを経験できます。苦労することもありますが、楽しく仕事をしています。みんなで声をかけあいながら作業をするため、チームワークを意識してたくさんコミュニケーションがとれるようになりました。一緒に働く仲間が、これからさらに増えていくことを願っています。
▽清水さん(写真左)
働く中で不安を感じたとき、先輩たちや周りの人の優しさにとても助けられました。
後輩が入ってきたときには自分も優しく声を掛け、積極的にサポートしたいです。もともと繊細な作業が苦手でしたが、練習を重ねて今ではスムーズにできるようになりました。さらに農家の人の力になりたいと思い、運転免許取得に挑戦しています。
▽指導スタッフ 八木さん
みんな苦手なことにも挑戦しながら、真剣に農作物に向き合って作業しています。成長する姿を間近で感じられることが、何よりうれしいです。全員が全ての作業をできる必要はなく、できない部分はできる人が補います。毎日みんなが笑顔で安心して働いていけるよう、これからもサポートを続けていきたいです。
※写真は本紙をご覧ください。
問合せ:
・農水産業振興課【電話】822-9395
・障害福祉課【電話】822-9837