くらし 消防CHIGASAKI 最前線

「火災・救急は119番」ですが、「電話がつながった後」のことを知っていますか。通報を受けて消防車や救急車に出動指令を出す指令情報課、火災や災害現場で指揮を執る警備課、火事を未然に防ぐ予防課。それぞれの活動について聞きました。

■指令情報課『あなたのSOSを最初にキャッチ』
◎通報時のポイントは「落ち着いて質問に答えて」(消防司令 秋庭広男(ひろお))
活動内容:茅ヶ崎市・寒川町全域からの119番通報を消防指令センターで受け、消防車や救急車を現場に送り出します。動揺している通報者から、必要な情報を正確に聞き出す大切な役割を担当。1日約60件、年間2万件以上の通報に24時間365日体制で対応しています。

□新システム導入で場所の特定がスムーズに
通報者が少しでも落ち着けるように、なるべく単純な回答で済むような質問を心掛けています。情報の中で、最も重要なのは「場所(住所)」です。急病などで話すのが困難な方や屋外からの通報の場合、住所の特定に時間を要することも少なくありません。来年度、導入予定の新システムでは、携帯電話の位置情報を活用して正確な場所を特定し、より迅速な出動指令が可能になります。
現在9隊の救急隊が出動していますが、緊急性の低い救急車の利用が増加しています。本当に必要な人への到着が遅れないよう、緊急時以外は#7119(下記)を活用するなど救急車の適正利用をお願いします。

■本署警備第二課(指揮隊)『現場の司令塔 火災原因も究明』
◎火災現場近隣の方は窓を閉め、指示に従って避難を(消防士長 佐野健翔(たけし))
活動内容:災害現場には、火を消す消防隊(水難救助隊も兼務)、現場の最前線で活動する救助隊、けがや病気の方を処置しつつ、病院に搬送する救急隊などの部隊が集結し、消火や人命救助活動が同時に行われます。そこで全体の状況を把握し、部隊に的確な指示を出すのが指揮隊です。また、火災現場を調査し、原因の究明も行います。

□リチウムイオン電池の火災が急増
焼け跡から火災原因を特定するために、鑑識では超音波カッターや電子マイクロスコープなどを使って細かく調べます。最近増えている火災原因の一つがリチウムイオン電池です。充電器付きの家電などに使われていて、強い衝撃を加えると発火します。実際、分別しないで捨てられてしまったために、ごみ収集車が燃えたこともあります。
市HPや茅ヶ崎市消防本部公式インスタグラムなどで情報を提供していますので、ぜひチェックしてください。

■予防課『予防こそが人命救助の最前線』
◎消防設備は設置して終わりではなく、定期的に使えるか点検を(消防士長 筒井祐太)
活動内容:予防課は火災を防ぐプロです。新しい建物や店舗、工場などが消防法に適合しているか調べる立入検査の他、地域や建物のオーナーに、防火管理の指導や火の取り扱い、危険物の保管方法についてアドバイスを行っています。さらに、学校・会社・地域での避難訓練や消火訓練の支援なども行います。

□住宅用火災警報器は10年で交換を
条例で定める寝室や階段などには、住宅用火災警報器の設置が義務化されています。10年ほど前に多くの建物に一斉に設置されましたが、今その交換時期を過ぎている物件が増えています。いざという時、電池切れで火災に気付けず、逃げ遅れることのないよう交換しましょう。
火災予防の基本は日常の「火を出さない意識」です。例えば、「コンロのそばから離れない」「コンセントはたこ足配線にしたり、周りにほこりを溜めたりしない」「消火器の場所や使い方を確認しておく」などです。消火活動や救助活動は最後の砦。予防こそが人命救助の最前線です。

▼[CHECK]もっと消防を知りたい
▽救急車を呼ぶか迷った時は
・【電話】#7119(かながわ救急相談センター)
救急医療相談、医療機関案内を実施。24時間365日受け付け
・【電話】#8000(かながわ小児救急ダイヤル)
毎日18時~翌8時受け付け
※本紙6面参照

▽マイナ救急 実証事業実施中
救急搬送時、マイナ保険証を活用して病歴などを確認し、より円滑に医療機関へ搬送する取り組みを行っています。2026年3/31(火)まで。

▽茅ヶ崎市消防団員募集
普段は本業を持つ約400人の団員が「自分たちの地域は自分たちで守る」という熱い思いで活動しています。

▽茅ヶ崎市消防本部 公式インスタグラム
消防本部の取り組みやリアルな活動の様子、生活に役立つ情報を発信しています。
◎消防に興味を持ってもらう取り組みにも力を入れています。11月開催のちがさき消防防災フェスティバルでは、子どもたちが楽しみながら消防に触れられます。インスタグラムは多くの方から反響があり、職員のモチベーションにもつながっています。(消防長 大柳誠二)

問合せ:消防総務課
【電話】85-9940