文化 あつぎ郷土博物館連動企画 學藝員のススメ 第65回

博物館の学芸員が、あれこれを語り倒すコーナー。

■厚木のランプ屋
大野 一郎
開催中の「あかりの道具」展に飾られている1枚のランプ屋の写真。店主の山崎鉄五郎さんは平塚で修行した後、厚木の東町で店を持ちました。店先に並んだランプの種類の多さに驚かされますが、営業期間は1901~13年頃と短い間でした。なぜなら、厚木の町に電灯がともったからです。厚木電気が一般電灯の営業を始めたのは、12年。小鮎川の水力発電がスタートでした。51年に電気事業が東京電力へと集約されるまで、市域の電気会社の状況は目まぐるしく変化します。
展示会では多様な形状の美しいランプをたくさん並べました。美術的にも価値があり、それだけでも十分にお楽しみいただけますが、明かりの歴史にまで思いをはせると、厚木の地域史を巡る展開も理解できるのではないでしょうか。

問合せ:あつぎ郷土博物館
【電話】225-2515