文化 自然歳時記

■ハルユキノシタ(ユキノシタ科)
山地の岩場に生える多年草。茎の高さ20センチほどの先端に白い花を咲かせる。花は、左右相称で上の3個の花弁に黄色の斑点がある(円内)。ユキノシタは斑点が赤い/不動尻への岩場で見つけた。

広沢寺温泉から不動尻へと向かう道は、変化に富み意外に歩きやすい。歩きながら見る道端に咲く小さなネコノメソウの仲間を見て、最終地点で見事なミツマタの大群生に出合えるからだ。
オオバヤシャブシやフサザクラも美しく、谷間から聞こえるミソサザイ、カワガラスの鳴き声や姿は日常の疲れを全て忘れさせてくれる妙薬で、足取りも軽くなる。
道の山側の石崖の隙間から生える白いハルユキノシタの花は清楚(せいそ)で美しく明日への希望が湧いてくる。青い空、透明な水、そして、すがすがしい空気は人生の宝である。

写真・文:吉田文雄

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