健康 健康ミニ講座

■帯状疱疹ワクチンについて
令和7年度から帯状疱疹ワクチンの定期接種が始まりました。過去に水痘(みずぼうそう)に感染した人は、原因となるウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)が体内にずっと残存しています。疲労や持病、薬剤などで免疫能が低下すると、そのウイルスが再活性し帯状疱疹を発症します。発症すると神経に沿って片側性(へんそくせい)に皮疹(発赤や水ぶくれ)が出現し、時に痛みを伴います。抗ウイルス薬の内服や点滴で治療を行いますが、後遺症として神経痛が残ることがあります。また症状が出ていた部位の動かしづらさといった運動障害が生じることや、顔面に生じた場合に角膜損傷、聴力低下、顔面神経麻痺などを生じることもあります。これらの後遺症が長期間、場合によっては生涯にわたり残ってしまうこともあります。
帯状疱疹は80歳までに約3人に1人が発症すると言われており、発症すると先に述べた症状で生活の質が低下する可能性があります。発症を予防するには、帯状疱疹ワクチンを接種することがよいと考えられます。ワクチンは1回接種の生ワクチンと、2回接種の不活化ワクチンの2種類があり、それぞれ費用や効果が異なっていますが、ワクチンによっては9割程度の予防効果が認められています。
詳しいことはかかりつけの医療機関でご相談ください。
高岡市民病院皮膚科部長 森直哉