子育て [特集]地域で応援 ママ・パパ・子どもたち(1)

◆「こども家庭センター」を設置
妊娠・出産・子育てを取り巻く環境は日々変化し続けています。技術の発達で便利になった面も多い一方で、地域での子育て世帯の孤立化や経済情勢の悪化など、悩みの種も増えています。
そこで今月は、町の子育て支援を特集。ここでは、新設された「こども家庭センター」を紹介します。

◇大きく変わる子育て環境 柔軟な支援体制の構築を
「子育ての正解が分からない」「ひとりで赤ちゃんをみている」「つらいけど、迷惑をかけたくない」―
これは、アンケートなどで過去に町が聞き取ったことのある、ママ・パパの声の一例です。
少子化が進む現在、安心して妊娠・出産・育児ができる環境づくりがより強く求められています。核家族化、共働き家庭の増加、インターネットやSNSなどを通じた子育て情報過多など、現代の子育て環境が以前とは大きく変わっていることがその一因です。
便利になったことも多い半面、子どもの発達や個性に応じた教育や支援、安全・安心な保育環境、柔軟な働き方など、子育てのニーズは年々多様化・複雑化。子育ての中で悩みを抱えてしまう親も増えています。相談もできず、ストレスを抱えた結果、育児放棄や暴力といった虐待につながってしまう事例は全国的に増加傾向にあります。
現代は誰もが同じ子育てのやり方でうまくいくとは限らない時代であり、今後ますます柔軟な子育て支援が重要になっていくことが予想されます。

◇妊娠期~子育て期を一体支援 こども家庭センター
この現状を受け、国は2024年4月に児童福祉法を改正。新たに「こども家庭センター」の設置を努力義務化しました。同センターは妊産婦を医療・福祉・保育・教育などの多方面から支援する施設です。
入善町でもこの4月、結婚・子育て応援課にあった、児童福祉を担う「子ども家庭総合支援拠点」と、元気わくわく健康課内にあった、母子保健を担う「子育て世代包括支援センター」を統合し、町の「こども家庭センター」(イメージ図は下記)を設置しました。
同センターの役割は、0歳~18歳までの子を育てる世帯へ、切れ目の無い伴走型支援を提供することです。
母子保健部門では、妊娠期~子育て期の保護者とその子どもを中心に、身体の健康を支える支援や不安や悩みに寄り添い、心の健康を保つ支援を行います。児童福祉部門では、18歳までの子どもやその家庭の、経済的な悩みや育児の不安などさまざまな相談を受け付け。各種支援につなげて、子どもの成長を支えます。
また、同センターが中心となり、保育所や学校、医療機関など関係機関との連携を強化し、子どもと保護者を地域ぐるみで支えていきます。
※イメージ図は本紙をご覧ください。

◇ことしもさらに充実 町の出産・子育て支援
町では以前から、不妊・不育症治療への助成に始まり、出産祝い品・子宝支援金の支給や保育料の軽減、小・中学校では、新入学生への入学祝い金、在校生の進級祝い金など、ライフステージごとに手厚い支援を実施。
4月からは新たに、全小学校区の学童保育で、長期休暇中や土曜日の保育開始時間を30分早める拡充を実施。そのほか、3歳未満の子を在宅で育てる家庭に、一時保育やファミリー・サポート・センターの利用券を支給する「ママパパ休日プレゼント事業」を始めるなど、より一層の「産みやすく育てやすい」町づくりを進めています。

◇妊産婦・子ども・子育て世帯とこども家庭センターの関わり
(妊産婦・子ども・子育て世帯)
妊娠・産前・出産・育児・保育・教育
↓相談 ↑サポート
(こども家庭センター)
・妊娠・出産に関する悩みごと相談
・妊娠届の受付・母子健康手帳交付
・妊婦、産婦、新生児への訪問
・パパとママの育児教室
・産後ケア事業
・乳幼児健診、発達の相談
・離乳食全般の相談 など
・子ども自身や家庭に関する相談
・育児に難しさを感じたときの相談
・生活困窮に関する相談
・ひとり親等支援について
・児童虐待に関する相談
・ヤングケアラーの相談や支援について
・子どもの障がいなどに関する相談 など
↑↓連携
・社会福祉協議会
・母子保健推進員
・医療機関
・民生・児童委員
・児童センター
・子育て支援センター
・保育所
・学校
・学童保育
・児童相談所
・厚生センター
・障がい福祉施設 など