文化 無名塾肝っ玉おっ母と子供たち舞台装置公開 and 出演者インタビュー(2)

「第二のふるさとである能登の力になりたい」無名塾主宰 仲代達矢
「能登の芝居小屋に再び明かりが灯る」

震災により能登演劇堂での上演のめどが立っていないときも、「いつか再び演劇堂の舞台に立てる日が来る」と信じ、本読み稽古に励んでいたという仲代さん。インタビューでは「被災地の芝居小屋に再び明かりが灯ることが何よりもうれしい」と喜びをにじませました。
公演内容が話題に上がると「(本公演は)最も素晴らしい反戦劇の一つ。人生の選択を迫られ続ける主人公から何かを感じ取ってもらえたら」と話し、「現在、世界情勢はとても不安定な中にある。戦争体験者として、公演を通じ平和の大切さを呼び掛けたい」と反戦への思いを訴えました。
最後に、市民の皆さんへの一言を求められると「92歳の体には苦労することも多いが、これからも舞台に立つことに挑戦し続けたいと思っています。ぜひ多くの方に足を運んで観劇していただきたい」と公演への意欲を語りました。そして、進藤さん、島田さんと共に劇中歌を披露すると、観客からは大きな拍手が送られました。

■あらすじ
ドイツの劇作家ブレヒトの反戦劇で、戦火を渡り歩いた女主人公アンナは戦争で3人の子どもたちを次々に奪われていく。がむしゃらに生きるアンナがたどる道とは―。

■無名塾の皆さんによる復興支援
インタビューでは、無名塾の皆さんが被災した家屋から災害ごみを搬出するボランティアなどに取り組んできたことにも焦点が当てられました。
令和5年に能登演劇堂で上演された「等伯│反骨の画聖│」で主演を務めた赤羽秀之さんをはじめとする、のべ270人が昨年1~5月の間に市内での災害支援を行いました。
登壇した島田さんも「何か少しでも能登の復興のためにできることがあれば」という思いで作業に当たっていたと話しました。
また、無名塾の皆さんによる復興支援は震災から一年以上が経った今もなお、さまざまな形で続けられています。被災地へ笑顔と元気を届けようと本公演への出演が決まっている俳優たちも活動を行いました。
昨年8月には円地晶子さんが市立図書館で行われた親子向けのイベントで講師を務め、12月には川村進さんが能登演劇堂でのイベントで詩の朗読などを行い、訪れた皆さんと温かなひと時を過ごしました。今年3月には本郷弦さんが復興応援公演を企画し、観客に笑いと元気を届けました。

■公演情報『肝っ玉おっ母と子供たち』
公演期間(全20回):5月30日(金)~6月22日(日)
※6月3日、9日、13日、18日は休演
開演時間:14時
※開場は開演の30分前
作:ブレヒト
演出:隆巴
出演:仲代達矢ほか無名塾
料金:
・前売一般…8800円
・高校生以下…5500円
・障がい者…5500円
プレイガイド:
・チケットぴあ…Pコード528-908
・ローソンチケット…Pコード56317
・イープラス

問合せ:能登演劇堂〒929-2222七尾市中島町中島上部9番地
【電話】66-2323【FAX】66-2326