- 発行日 :
- 自治体名 : 石川県加賀市
- 広報紙名 : 広報かが 令和7年5月号
加賀市医療センター病院長北井です。昨年の能登半島地震で加賀市は二次避難者をできる限り受け入れると宣言しました。2,400人を超える人が、急遽、市内の旅館やホテル避難されました。半数は60歳以上の人、90歳以上の人も60人あまり身を寄せられました。環境も変わり、不安な心で知らない土地で過ごしているのです。病気にならない方が不思議です。持病の悪化、新しい病気の発症、PTSDなど心の不安を訴える人もいらっしゃいました。我々医師は、こんな時こそと一致協力しました。避難所での体調不良は日本医師会の災害緊急チーム(JMAT)の緊急診療室、日中の風邪や軽い下痢、腹痛、血圧管理などは二次避難所の近くの開業クリニック、救急車や夜間救病は加賀市医療センターでお受けすると役割分担しました。これは日頃からの加賀市医師会と加賀市医療センターとの強固な協力関係があったからだと感謝しています。何とか医療需要の急増に対応できました。ですが、ついには病床がオーバーしてしまい、病棟処置室を応急の病床にして乗り切りました。この期間、市民の皆さんで早めに退院をとせかされた人がいらっしゃったのではないかと思います。紙面を借りてお詫びをいたします。