くらし 少子化と産み育てる医療[3]

加賀市医療センター病院長北井です。先月のコラムで院内エレベーターで若い二人を閉じ込めて仲良くなってもらおうと書きましたら、職員から怒られてしまいました。でも職員同士ご結婚されて、市内で居を構えている方も多数おられますので、まんざらではないと反省しつつ、今回は別の視点で書きたいと思います。結婚の減少は出会いの減少と書きました。昭和の頃は近所、親戚に世話好きオバサンがいて、妙齢で相性のよさそうな方を引き合わせていました。両親も子弟を無理やり「義理があるので会うだけ会っとけ、後で断っても良いから」と引き合わせていました。今では仲人業は絶滅危惧種、そもそも結婚式で仲人というものもとんと聞かなくなりました。行政や商工会議所が仲人役を買って、街カフェや出会いのパーティをしているのをみると、当方の職員もどれだけ出席しているのか見に行きたい気持ちになりながら、頑張れと心でエールを送っています。嫌なニュースもあります。国内でストーカーや通り魔の報道があり、女性の多い職場の我々も恐々としています。医療現場でも付きまといやカスハラ(顧客による威圧)、ペイハラ(患者さんからの暴力行為)も大きな問題となっています。安全な医療環境は誰にとっても重要です。(続く)