くらし DVはあなたの身近に

■11月12日~25日は、「女性への暴力をなくす運動」
精神的、身体的、性的、経済的、社会的な暴力や、子どもを利用した暴力――。
恋人や配偶者からのこうしたさまざまな形の暴力(ドメスティックバイオレンス・DV)は私たちの身の周りにも潜んでいるもの。
今回、匿名などを条件に、DVを経験した市内の女性から、その体験や立ち直った経緯、メッセージなどをうかがいました。

◇どんなDVを受けましたか
4年付き合って結婚した人からの暴力でした。最初は「なぜそんなこともできんのや」「お前のことを相手してくれるのは俺しかいないぞ」というような精神的暴力。物を投げるといった行動もありました。
子どもが生まれてからも職を転々とし生活費もなかなか入れてもらえず、同居していた私の両親に頼っていた所が多かったです。そんな両親に対しても「どういう育て方をしてきたんや」と侮辱していました。両親は娘の選んだ人だからと相手にも私にも強く言えなかったようです。

◇それからどうなった?
ある日、相手が私を脅すかのように、離婚届を置いて出ていきました。相手に意図を聞いたのですが、「単に置いただけ」と要領をえない返事。その瞬間、私の中でいろいろ我慢してきたものが一気にあふれてしまいました。「もうこの人といるのは無理」と思い、相手に伝えました。
相手が帰ってこない間に鍵も交換しました。すると、「復讐してやる」などの脅迫めいた内容のメールが日に20~30通来るようになり、身の危険を感じ警察に相談しました。この時初めて私はDVを受けていたということを知りました。「子どもの前で粗暴な言動をみせる」のも子どもを利用した暴力と知り、子どもへの影響も考え、離婚を決めました。
離婚調停中に調停員を通してプレゼントを寄越してきたこともあります。でもそれが「DVのサイクル」と言われる典型的な行動のなかの「ハネムーン期」(被害者が離れていくのを防ぐ行動をする時期)にあっただけだとは後で知りました。

◇DV気質の予兆はあった?
交際中に私の服装を自分の好きな服装にさせようとしたりなどありました。それを知っている友人からは何度も「(結婚は)やめておけ」と言われていたのですが、当時は相手しかいないと思い込んでいました。

◇読者にメッセージを
自分が受けているのはDVだと気づくにはかなり時間がかかると経験上は思います。それに、私も最初は相手に何か言われると反論していましたが、その倍になって返ってくる。だから、次第に言い返す元気もなくなり、言っても無駄だという諦めに変わって、DVであることに気づくのが遅くなりました。自己肯定感も低く、笑顔もなかったです。
だから、まずは自分を大事に。そして、相手の言動が少しでもおかしいと思ったら周りに相談してください。自分を立てることを相手に求める言動も要注意だと思います。「ゆくりな」事業ではさまざまな相談ができるとお聞きしています。そうした、サポートをぜひ活用して欲しいです。

■「女性に対する暴力をなくす運動」関連イベントand事業
◇パープル・ライトアップ
運動の象徴色・紫色で施設内をライトアップします。
日時:11月4日(火)~30日(日)
場所:夢みらい館・さばえ
※10日(月)~30日(日)に西山公園噴水のライトアップもあります(市主催)。

◇誰ひとりとり残さないつながりサポート事業「ゆくりな」
あなたの不安や悩み、辛さなどを市の相談員が対面や電話などでお聞きします。
時間:平日の開館日10~12時、13~15時
連絡先:【電話】78-2190(予約専用)

◇映画「夜明けまでバス停で」(2022年、日本)無料上映会
バス停で寝泊まりするホームレスにならざるを得なかった女性を主人公に、社会的孤立を描いた作品です。
日時:11月30日(日)
(1)13時半~15時半
(2)18時半~20時半
場所:夢みらい館・さばえ1階講習室
定員:各回20人(要事前申し込み)
申込方法:電話か申込フォーム(本紙の二次元コード参照)

申込み・問合先:夢みらい館・さばえ
【電話】51-1722