文化 越前町の指定文化財を訪ねよう140―舟場窯跡(2)―

E子:こんにちは!
学H:こんにちは。今回も舟場窯跡について説明します。
E子:よろしくお願いします!
学H:前回は舟場窯跡の灰原の調査について説明しました。今回は出土遺物について紹介していきたいと思います。
平成4年の調査の際に出土した遺物のほとんどは、埦・皿・坏蓋・壺・擂鉢・甕などのほか、陶錘(とうすい)・瓦塔(がとう)、窯道具として使用された焼台などを含む須恵器でした。また皿や坏の重ね焼きが約六十点出土しました。
E子:陶錘や焼台とは何ですか?
学H:陶錘とは、陶器で出来た錘(おもり)のことで、一緒くたに焼き物の錘の総称である土錘(どすい)と呼ばれることもあります。石製のものは石錘(せきすい)と呼びます。用途としては、漁網の下に紐でつり下げるもの、釣り用のもののほか、むしろなどの編み物を作るためのものや大型のものは碇(いかり)などが推定されます。土錘や石錘は縄文時代から作られており、陶製の錘は窖窯技術が導入されると作られるようになりました。
学H:次に焼台は、主に陶磁器を焼く際に、作品が窯の床に直接触れないようにするために使用される道具です。これにより、作品の底が焦げ付いたり、変形したりするのを防ぎます。また、焼台の形状や材質は、焼かれる作品の種類や窯の構造によって異なります。例えば、須恵器を焼く窯では、焼台として平らな板状のものが使われることが多いです。一方、瓦を焼く窯では、焼台として複数の支柱が用いられることがあります。
E子:須恵器の錘が作られていたことや、焼台は窯によって形状などが異なることに驚きました。
学H:形状が窯ごとに異なる理由として、製品を焼く際、製品を置く面を平にする必要があり、必然的に焼台を床の斜面に合わせるためです。
E子:なるほど。焼台って面白いですね。
学H:興味を持っていただけて嬉しいです。
次回も舟場窯跡について紹介します。
E子:次回もよろしくお願いします。

[引用・参考文献]
福井県教育庁埋蔵文化財調査センター『福井県埋蔵文化財報告書第二五集 舟場窯跡』一九九五年

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