くらし 美浜発電所の状況について

美浜1号機:廃止措置中(平成29年4月19日~)
美浜2号機:廃止措置中(平成29年4月19日~)
美浜3号機:第28回定期検査中(令和7年3月2日~)

■新試験研究炉の設置許可申請見込み時期決定の延期について
日本原子力研究開発機構は、高速増殖原型炉もんじゅの敷地内に新たに設置する新試験研究炉について、国土地理院から活断層がある可能性を指摘されたことを受けて、建設予定地及び設置許可申請見込み時期の決定を延期しました。
新試験研究炉については、原子力機構等が専門的・技術的な見地から検討を行う等、専門家による評価を実施しました。しかし、令和6年10月29日に国土地理院が「もんじゅ」の敷地内に活断層の可能性がある「推定活断層」が存在することを示す活断層図が公開されたことを受け、新試験研究炉の設置にあたっては、推定活断層の取り扱いも含め、原子力規制庁と意見交換を行い、追加の調査が必要と判断しました。
なお、建設予定地及び設置許可申請見込み時期決定の時期については調査の進展を踏まえて改めて示すこととしています。

▽新試験研究炉について
新試験研究炉は、西日本における原子力関連の研究開発や人材育成の中核的拠点として位置付けられており、現在、早期の建設・運転に向け、準備が進められています。
当該研究炉は、原子核を構成する粒子である「中性子」を利用して、研究開発を行う実験施設です。発電を目的とした商業炉とは異なり小規模であることから、一般的に安全性が高いと言われており、学生等の人材育成や、大学や企業等の研究開発に活用されます。
また、私たちの生活に身近な衣類、食品、化粧品、スマホ等の生活用品の素材開発、ガン治療や診断、新薬の開発、電気自動車の先端的な部品や材料開発、高性能半導体の開発、建物や橋梁等の安全性を確認する技術開発等、幅広い産業分野で役立てられます。

▽試験研究炉の設置の意義と期待される役割
原子炉を安全に運用していくためには、原子炉を運転するための技術や、今後増加する原子力施設の廃止措置に着実に対応できる高度な原子力人材の育成が必要不可欠です。
新しい試験研究炉は、新たな原子力分野の研究開発や人材育成の中核的拠点になっていくことを目指しており、中性子を活用したさまざまで基礎的な研究をはじめ、革新的な研究開発、医療用RI(※1)に関する研究、原子力の安全性研究といった研究開発だけでなく、地域産業との連携や共生、原子力の教育等への貢献とともに継続的な原子力人材の育成といった成果が期待されています。
※1 Radio Isotope(ラジオアイソトープ)の略で、放射性同位元素のこと

提供:日本原子力研究開発機構

▽これまでの経緯について
平成28年の原子力関係閣僚会議において、「もんじゅ」の廃止措置と共に、「もんじゅ」サイト内に試験研究用の原子炉を設置することが決まりました。文部科学省では、平成29年度から令和元年度まで、「もんじゅ」サイトの試験研究炉設置等に関する調査を実施し、具体的な原子炉の仕様や建設コスト、利用のニーズや用途等について、また、候補となる試験研究炉の炉型を整理すると共に、試験研究炉の運営体制が検討されました。
これらの調査、検討を踏まえて、文部科学省に設置された部会で議論された結果、西日本における原子力分野の研究開発・人材育成の中核的拠点としてふさわしい機能の実現、地元振興への貢献の観点から、「もんじゅ」サイトに新たに設置する試験研究炉として、中性子ビーム利用を主目的とした中出力炉が最も適切であるとの方向性が示されました。
その後、令和2年9月に「もんじゅサイトに設置する新たな試験研究炉の概念設計及び運営の在り方検討」の公募が行われ、原子力機構、京都大学や福井大学が委託事業の中核的機関に採択され、具体的な研究炉概念や運営に関する検討が行われています。

提供:日本原子力研究開発機構
※詳しくは、本紙をご覧ください。