- 発行日 :
- 自治体名 : 福井県美浜町
- 広報紙名 : 広報みはま 令和7年10月号 No.657
美浜1号機 廃止措置中(平成29年4月19日~)
美浜2号機 廃止措置中(平成29年4月19日~)
美浜3号機 運転中(令和7年6月18日~)
■戸嶋町長が町議会とともに国に対して要請活動を実施
8月26日と27日に、戸嶋町長は町議会の川畑議長、辻井副議長、美浜・高島広域避難・連携道路早期実現期成同盟会の藤本副委員長と共に、経済産業省、内閣府、文部科学省に対して、原子力政策等に係る要請活動を行いました。
主な要請内容は次のとおりです。
▽原子力政策について
(1)国民理解の醸成について
原子力発電は、ネガティブなイメージが先行し、国民の理解醸成に影響していると考える。
そのため、原子力発電による経済発展の恩恵を享受してきた国民ひとりひとりが「自分事」として捉え、必要性・重要性の議論を活性化・深化させていく必要がある。
国民理解の醸成に向けて立地地域が取り組んでいる事項について、強力に支援すること。
(2)きいぱすへの支援について
エネルギー環境教育体験館きいぱすでは、子どもたち(小中学生)が原子力やエネルギーについて、自分事として捉え、自ら考え、体験を通して理解を深める場として、事業の推進に努めてきた。
これまで、きいぱすが果たしてきた役割と成果を踏まえ、運用にあたり財政・人的面も含め、支援すること。
(3)「きいぱす」の機能強化(ビッグきいぱす)への支援について
GX推進戦略を踏まえた教育プログラムの高度化や、新たなエネルギー開発等の先端技術の紹介、展示等、未来のエネルギーについて、子どもから大人世代まで学べる体験施設として充実・強化(ビッグきいぱす)したいと考える。これらの取り組みについて、財政支援や技術支援、人的支援等、強力に支援すること。
(4)自発的な理解活動への支援について
県内の高校生が独自に取り組んでいる「高校生の原子力に関する意識調査」や理解活動は、年々活発化しており、県域を越えた高校へ波及する等、若い世代が日本のエネルギーや原子力に関し、自ら考え、真剣に向き合おうとする意識が大きく広がり始めている。
こうした若い世代の主体的な取り組みや行動を、機を逸することなく、情報の提供や専門的研修、現地視察等、積極的かつ全面的な支援をすること。
(5)バックエンド対策の着実な推進について
六ケ所再処理工場の着実な竣工、中間貯蔵施設・最終処分場の早期確保等、具現化に向けた対策を強力に推進すること。
また、関西電力(株)が示した新たな「使用済燃料対策ロードマップ」について、着実に履行されるよう、国が前面に立ち、総力を挙げて取り組むこと。
(6)廃止措置対策について
美浜1・2号機の廃止措置を安全かつ着実に進めていくためには、放射性廃棄物や使用済燃料の搬出及び処分が確実に行われることが大前提となる。
そのため、放射性廃棄物等の処理については、廃止措置を計画的に推進するために不可欠であることから、国が前面に立ち、総力を挙げて取り組むこと。
▽原子力防災の充実強化について
(7)美浜高島間の早期実現について
本町は嶺南地域において唯一南北に通じる避難道路が整備されておらず、滋賀県境山間部には孤立可能性のある地域を抱えることから道路避難の安全度が極めて脆弱であり、立地地域の安全安心の確保のため、美浜高島道路の新設について早期実現を図ること。
(8)避難道路・制圧道路の強靭化について
原子力災害時の避難や事故制圧時に利用する幹線道路は、狭窄部や脆弱な法面を抱え、災害時に機能不全に陥ることが考えられるため、避難道路・制圧道路の局部改良や無電柱化等の強靭化対策を講じること。
▽立地地域対策について
(9)立地地域の将来像の実現について
原子力発電所の再稼動に際し、共創会議で示された「嶺南地域の将来像」において、美浜高島道路の整備等、立地地域の実情や要請を踏まえた内容が明確に示された。その実行・実現に向け国は、事業者や関係機関と連携し、立地目線をもって財源の確保や所要の協議調整等強力に推進すること。
(9)ワット・ビット連携を通じたデータセンターの誘致について
生成AIの急速な社会浸透に伴い、データセンターにおける電力消費の増加が今後さらに加速すると予想されているなか、データセンターは都市部に集中しており、大規模災害等により多くの施設が一斉に機能停止するリスクが懸念されている。こうした背景を踏まえ本町を、ワット・ビット連携を通じて、データセンターを中核とした地域のデジタル基盤・拠点の候補地として採択すること。
今回の要請を受け、国からは「要請の趣旨を踏まえ、地域振興や避難道路の整備等について、関係省庁等と連携しながら、しっかりと取り組んでいく」といった回答をいただきました。
町では、今後も原子力政策等を取り巻く課題や問題に取り組んでいきます。