講座 公民館報いな-[特集]文化・芸術に触れる公民館活動(2)

■陶芸教室 西箕輪公民館
西箕輪公民館では、小学生を対象とした陶芸教室を毎年開講しています。教室は全7回で、最初にたま作りや、ひも作りなどといった、作陶(さくとう)の基礎を4回に分けて学びながら、小鉢やお皿などを作ります。残りの2回で自由制作と釉薬(ゆうやく)掛けを行い、思い思いの作品を作り上げます。講師は陶芸愛好家の野口輝雄(のぐちてるお)先生で、作陶の手ほどきから自由制作のアドバイスまで丁寧に教えてくれます。
陶芸の世界では、完成した器の釉薬の様子を『景色』と言います。この景色は釉薬の掛かり具合や熔(と)け具合で変化し、一つとして同じ景色になる器はありません。中には、1つの器で釉薬の熔け具合がまばらになったことにより、素晴らしい景色になることもあります。
今年はどんな景色に出会えるか、これからの作品作りが楽しみです。

■瑞雲墨志会(ずいうんぼくしかい) 西春近公民館
毎年、西春近公民館の文化祭で、数多くの作品を出展してくれている「瑞雲墨志会」は、上伊那に七つの教室があり、今回は、西春近公民館を教場とする「西春近公民館教室」を紹介します。
水墨画の習得、会員相互の親睦(しんぼく)を深めることを目的に、指導者の増田絹恵(ますだきぬえ)(瑞雪(ずいせつ))先生を含め、現在6名のクラブ員で構成されています。参加者の中には、20年以上活動している方もいれば、全く初めての方もおり、経験年数や技術に関係なく、水墨画に関心のある方々が集まり、毎月第四水曜日に楽しく活動しています。
7月にはかんてんぱぱホールで「墨志会展(ぼくしかいてん)」が行われ、11月29日(土)、30日(日)に開催する西春近公民館の文化祭にも出展予定です。ご興味のある方はぜひ足を運んでみてください。

■刻字は書道なり 高遠町公民館
高遠町地区の皆さんに「自分が講師になって公民館講座を運営してみませんか」と募集したところ予想以上の応募がありました。その中に「刻字をぜひやらせてほしい」という方がいらっしゃいました。
早速、石川博(いしかわひろし)(三峰(さんぽう))さんと森一義(もりかずよし)(一径(いっけい))さんに講師をお願いし、「マイ表札を作ろう」というタイトルで、3回の連続講座を開設しました。皆さん、彫刻刀を持つのも小学校以来という方ばかりでしたが、講座が始まると真剣な眼差しで、題字を彫り込んでいました。3回で見事な作品が出来上がりました。
2年目になると表札では物足りず、自分のお気に入りの言葉を彫り込む方もいらっしゃり、あっという間にレベルアップした感じがします。先生の「刻字は書道なり」という言葉に皆さんうなずいていました。

■縄文(じょうもん)文化の謎(なぞ)に触れた入野谷(いりのや)講座 長谷公民館
昭和62年に信州大学農学部と当時の長谷村の共催で開催した「信州大学長谷村公開講座」が前身となる入野谷講座ですが、今年度も多彩な講師をお迎えして開催しています。
第1回は「遺跡(いせき)探検シリーズ(2)〜長谷の縄文時代の謎を解く〜」と題した伊那市教育委員会の濱慎一(はましんいち)さんによるお話で、会場には出土した縄文土器も展示され、実際に触れることもできました。
長谷の縄文遺跡からは、山梨県と八ヶ岳山麓(さんろく)に見られる模様を付けた土器や東北と東海、両地方の特徴を併せ持つ土器も発見されていて、長谷の地は縄文文化が交わる場所だったことがわかりました。
縄文時代の文化芸術に触れながら、一万年を超えて続いた縄文時代に思いを馳(は)せる講座となりました。