- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県伊那市
- 広報紙名 : 市報いな 令和7年10月号
高遠藩出身の伊澤修二は、東京音楽学校(現・東京藝術大学)初代校長を務めたほか、台湾での植民地教育や楽石社(らくせきしゃ)を結成しての吃音矯正に尽力しました。
修二の功績を讃え、そして顕彰をするため、東京藝術大学との連携による伊澤修二記念音楽祭を開催しています。
■子どもの音楽教育に尽力
伊澤修二(1851〜1917年)は、明治3年に大学南校(現・東京大学)で学び、明治7年、24歳の時に愛知県師範学校長に就任しました。この時期、日本では「学制」が施行され、小学校では現在の音楽にあたる「唱歌」、中学校で「奏楽」の時間が設けられましたが、実際には音楽教育が十分に行われていませんでした。修二は幼児の遊戯唱歌に教育効果があると考え、これを実践しました。この活動が評価され、アメリカに留学しました。
留学中、音楽教育家のメーソンと出会い、彼の指導の下で日本人向けの音楽教材の作成に取り組み、帰国後、明治12年に音楽取調掛が設置されると掛長に就任。メーソンを招いて音楽教師の養成を行い、学校教育で用いる「唱歌」の作成にも力を注ぎました。そして明治14年に「蝶々」を含む33曲をまとめ、日本で最初の小学校用歌唱教材集である『小学唱歌集』を発行しました。
■「蝶々」は海外の曲!?
「蝶々」は、伊澤修二が愛知県師範学校時代に取り組んだ、わらべ唄をアレンジした遊戯唱歌の歌詞が基になっています。彼がアメリカ留学中に、メーソンの提案で日本の子どもに合いそうな曲として選び、歌詞を当てはめたのが「蝶々」の誕生の瞬間でした。原曲はドイツ民謡。シンプルで歌いやすいメロディは、世界各国で異なる歌詞が付けられ、親しまれています。
問合せ:生涯学習課 生涯学習文化振興係
◆藝大生の演奏が聴ける!!
今年の第1部は、「東京藝術大学サクソフォンカルテット」!ソプラノ・アルト・テナー・バリトンの4種類のサックスがパワフルなサウンドを創り出します。
第2部は、東京藝大シンフォニーオーケストラの演奏!今年は、J.シュトラウスII世作曲の喜歌劇〔こうもり〕より 序曲、「侯爵様、あなたのようなお方には」や「美しく青きドナウ」他、名曲の数々を演奏します。大迫力のオーケストラをお楽しみに!
◆第39回伊澤修二記念音楽祭 10月25日(土)
▽第1部
会場:高遠町文化体育館[入場無料]
開場:午前9時
開演:午前9時15分
出演:高遠小学校、高遠北小学校、高遠中学校、長谷中学校、高遠高等学校、東京藝術大学サクソフォンカルテット
▽第2部
会場:長野県伊那文化会館
開場:午後2時
開演:午後2時30分
入場料:一般1,000円 高校生以下無料
未就学児童は託児をご利用ください。(※要事前申込)
出演:東京藝術大学シンフォニーオーケストラ、伊澤修二記念音楽祭合唱団、高遠中学校、伊那ジュニアアンサンブルクラブ(IJEC)
▽チケット取扱い
・生涯学習課
・高遠町総合福祉センターやますそ【電話】94-2557
・長谷公民館【電話】98-2009
・伊那市生涯学習センター【電話】78-5801
・長野県伊那文化会館【電話】73-8822
◆市民合唱団が藝大オケと歌い上げる!
第2部に出演する市民合唱団。今年の曲目は、J.S.バッハ作曲の〔マタイ受難曲〕より「No.54コラール」、「No.68終結合唱」です。深い祈りと救済の希望を映す曲を約130人の合唱団が、藝大オケの演奏で壮大に歌い上げます。
