文化 公民館報いな-ふるさと!発見[手良公民館]

■若宮八幡宮(わかみやはちまんぐう)
この神社は、全国各地に点在する同名の社(やしろ)のうちの一つであり、祭神(さいじん)として第15代天皇応神天皇(おうじんてんおう)の神の姿である「誉田別尊(ほんだわけのみこと)」を祀(まつ)っています。「誉田別尊」は武勇と学問の神である八幡神として知られ、ここ中坪地区においても地域一円が氏子(うじこ)となって古くから信仰されてきました。
中坪地区における若宮八幡宮の創建年代は不明ですが、古くは江戸時代の検地帳の記録にまでさかのぼります。その後、劣化や火災による再建を経て形を変えつつ、現在も姿を残しています。再建の際に茅(かや)からトタンへ葺(ふ)き替(か)えをされた覆殿(おおいどの)の内側には、本殿に加え6つの社が合わせて祀られています。本殿については全体に黒・朱漆塗(しゅうるしぬ)りが施されていますが、一部には火災の跡も見られ、長い歴史の重みを感じます。また、史上最強と謳(うた)われる江戸時代の力士「雷電為右衛門(らいでんためえもん)」が、相撲の盛んな手良地区内のこの神社に興業のため訪れたという逸話(いつわ)があり、建物内には当時の相撲番付の額も残されています。
同じ敷地内に隣接して中坪公民館が建てられていることもあり、この神社は手良地区の方にとっての憩いの場になっています。公民館の行事や7月の「瓜(うり)天王の祭り」、10月の「例祭」が行われる際には、多くの人が集まり賑(にぎ)わいも見られます。興味のある方は、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

(参考:手良誌)