- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県小海町
- 広報紙名 : 小海町公民館報 第559号
進学に就職、新たな門出に期待を胸に新生活を迎えるこの季節。そんな中、新入社員が早期退職するという記事を度々目にする。大切な人材を失うというこの事例は、企業の将来に関わる深刻な問題として取り上げられ、その原因として、入社後の価値観の違いや、多様性に対する企業の受入姿勢の未熟さが挙げられている。単に「多様性」という言葉から思いめぐらすと、少数派の意見や価値観は、社会に新たな洞察力をもたらす重要な役割を果たし、個人差を尊重することは、協働と共生を進め、この違いが社会の豊かさを支えている。
Z世代と呼ばれる九十年代後半~十年代初頭に生まれた世代は、各々が独自の価値観や働き方への期待を強く持っているとされる。企業理念やルールの遵守は当然のことだが、企業が若い世代とより良い関係を築くためには、それらを理解するとともに、柔軟に適応するための職場風土づくりに努めることが未来へのエッセンスではないだろうか。
若い世代との向き合い方は、地域社会にも共通した課題かもしれない。互いの成長を促し、寄り添うことで、信頼と共感の絆を築ける地域社会でありたい。