くらし 地域おこし協力隊通信Vol. 102

(青倉地区担当 市川貴章)

◆2度目の実りの季節を迎えて

記録的な猛暑となった今年、青倉集落の皆さんのご厚意により、田んぼを一枚お借りすることができました。春の田起こしから稲刈りまで、季節を通して自身で田んぼを管理するという貴重な機会をいただき、昨年以上に自分事として米づくりに取り組むことができました。

昨年は米作り一年目として、様々な作業を経験させて頂きましたが、目の前の作業をこなすことに精一杯で、その工程の意味や重要性を十分に理解できていなかったように思います。特に代かきにあっては、水加減はどうしたらいいのか、どの程度まで田んぼを平らにすればいいのか分からず、手探りの状態で取り組んでいました。

二年目の今年は、昨年と比べると多少は要領を得たものの、まだまだ分からないことが多く、新たに気づかされたことも沢山ありました。来年は、代かきと溝切りをもっと上手にできればと思っています。

稲刈りを終えた田んぼを見渡すと、昨日までの見慣れた風景が一変し、まるで祭りの後のような、どこか寂しい気持ちにもなります。今年は観測史上最も暑い夏だったそうです。年を追うごとに温暖化が進む昨今、地球環境の将来に不安を感じますが、その一方で、信州の米づくりにとってはチャンスなのかもしれません。稀有な自然環境にある栄村。冬の豪雪、ブナをはじめとする落葉広葉樹の森、山間地ならではの寒暖差、村内各地から湧き出る湧水。これらはどれも、米づくりにとっての宝物です。

また来春、残雪をまとった山々を眺めながら、トラクターに乗って田起こしするのが、今から楽しみです。