くらし 村長室から

猛暑、残暑から早く解放されたいものですが、涼風吹き渡る秋の訪れはまだまだ先のようです。
今月は防災がテーマです。
先日、首長対象の危機管理研修会があり、石川県浅野副知事による能登半島復旧に関する取り組みの講演がありました。災害対策について非常に有益な示唆がある講演内容でしたので、一部紹介してまいります。
副知事という立場から国・県・市町村・民間という縦のラインでいかに県と市町村・民間のコミュニケーションが大切かという話の中で、情報の種類について「役所内で幹部まで上がる情報は『ツルツル情報』である。つまり情報が下から上に上がるうちに、枝葉を落としてつるつるに磨いた情報となり、本当に大切なことを見落とすことになりかねないこと。重要なのは、ナマでゴツゴツのままの民間情報が、トップまで素早く上がる体制づくりである」という話でした。この話、本村のような顔の見える関係が濃い自治体でも大切な示唆を含んでいると感じました。災害時だけでなく日常においても、地域の皆様のナマの声や情報が私のところまで届く役場にならなければ、と職員にも指示したところです。講演の結びに講師は「最終的には市町村が地域と直接向き合うことになるので、市町村は地域の皆さんとナマ情報でやり取りし、日頃から県や国と十分なコミュニケーションがとれる関係を構築しておくことが重要である」と説かれました。
次に7月に発生した豪雨災害での反省点についてです。最も大きな課題は「情報の遅れ」と「避難のタイミング」です。通常であれば気象庁の大雨警報発令を受けて避難指示等を出しますが、今回は河川氾濫が大雨警報よりも早く発生したため、住民の皆さんへの周知が後手に回ってしまいました。
また、自主的に避難された方もみえましたが、高齢者世帯ではすでに避難が難しい状況でありました。
局地的豪雨による直接の被害を受けましたので、防災体制について今回の経験を生かして、改めて今後の対策をしっかりと立てていきたいと考えております。
最後に、各地で豪雨災害が頻発しています。
共同募金会と日赤岐阜県支部では8月6日からの青森県・富山県・石川県・山口県・鹿児島県など全国10県で被害があった大雨災害と、8月10日からの熊本県の豪雨災害の義援金を募集しています。
期間は9月30日までです。
募金箱は、役場、社会福祉協議会・道の駅・白川茶屋・野菜村に設置しています。災害はいつ、どこで起きてもおかしくありません。自分事として被災者の皆様への義援金にご協力をお願いいたします。
9月は郷土歌舞伎公演や老人福祉大会、小学校の運動会などの行事が予定されています。災害への備えを忘れないようにしながら、残暑厳しい9月になりそうですが今一度熱中症対策を怠らず、健やかにお過ごしください。
令和7年9月
東白川村長 今井俊郎